Ayaka

オッペンハイマーのAyakaのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

1年以上首を長くして日本公開を待っていました。アカデミー賞受賞後の、良きタイミングでしたね。(そして、レビュー読んだり色々考えていたら2ヶ月経ってた)

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ストーリーは、カラーとモノクロ、複数の時間軸構成という、さすがはノーラン監督節。
ソ連のスパイ疑惑をかけられたオッペンハイマーに対する聴聞会とストローズが長官に選出されるに相応しいかを決議する公聴会。この二軸を描くにあたり、原爆を生み出すまでにオッペンハイマーが歩んだ道のりが回想シーンとして登場する構成。
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とても良い疲労感だった。オッペンハイマーを観たという人には、まずは「お疲れ様!」と伝えていました。笑

被爆国である日本人として、この映画をどう捉えるかは難しいと思う。私としては、原爆を作ることと使うことの二面性に対して、理解は示せたかな、これからも考えていかなければいけない事だと思った。そしてオッペンハイマー、彼の苦悩や葛藤、人生を知れて良かった。
被爆者や原爆の影響を受けた方々は、この映画をどう受け止めるのだろうか、素朴な疑問。

この映画で一番に感じたことが、「正義」について。自分が絶対正義だと信じて行動してはいけない、誰かの人生では悪者だということ。
必要悪としての正義は、この世の中に沢山存在していて、そうやって世界は発展してきたのだろうし、これからもそうなんだろうなと思った。

そして、トリニティ実験の没入感と緊張感が一番疲れた。実験成功に歓喜するシーンは、分かってはいたものの、とても複雑な心境だった。

鑑賞中には、宮崎駿さんの「風立ちぬ」を思い出していた。同じく戦時中、開発者として技術的な優秀さが時代に搾取される姿が重なってみえた。


鑑賞後の空腹に、大きい餃子と担々麺を食べた23時半を含めて良い映画体験でした。
Ayaka

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