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オッペンハイマーのうにのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
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評価:A
2024年 監督:クリストファー・ノーラン
インターステラー

原爆の作製とその後の赤狩りがメインのストーリー。
戦時下・取り調べ・裁判の3本軸が平行して進行していく。

序盤で提示された、核分裂の連鎖により世界中の空気が燃焼され、世界が滅びる説が最後まで効いてくる。(この説はほぼ0%であり、現代もそのほぼ0%の上に成り立っている)

また内容は非常にアメリカらしく、後半は罪と罰が軸となってくる。
これはキリスト教的な価値観なのか、戦勝国の戦争との向き合い方なのか、罰の一切を受け止め、最後には赦される流れとなるのだが、邦画なら罪を背負い続ける展開になりそう。

良かったシーンは原爆投下後のスピーチで、足音・原爆のフラッシュバック・広島、長崎を連想させる観衆と、ここの場面だけでもかなり満足できる充実度。

この映画はあくまでも、オッペンハイマーの原爆(罪)と赤狩り(罰)がメインであり、広島・長崎は注目されないので、単なる反戦映画だと思って観ると反省が足りないと思う日本人もいるかと思うが、反戦映画ではなく、オッペンハイマーの自伝と当時のアメリカの背景、赤狩りを観るものだと思えばきっと楽しめる。
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