シュウメイシ

オッペンハイマーのシュウメイシのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.6
原爆の父と呼ばれたアメリカの物理学者、J・ロバート・オッペンハイマーの話。

アインシュタインの有名なセリフで、「第3次世界大戦でどんな兵器が使われるかは分からないが、第4次世界大戦は棍棒と石で戦われるだろう」というのがある。
次の大戦は核戦争となり、文明が崩壊する可能性を示唆した発言。
そんな恐ろしい兵器を開発した男、オッペンハイマーの人生と葛藤、ちょっと女性関係を描いた作品。
戦争映画というよりオッペンハイマーもまた、国家や時代に翻弄された一人であることが伝わってくる作品でした。
わりと俯瞰的な視点で作られた映画だなと思いながらも、原爆開発からソ連共産主義とアメリカ資本主義による冷戦時代まで30年くらいの時間描いてるからかなりの情報量でした。
いつも時間を操りがちなノーランだから白黒描写の解釈も最初勘違いしてた。
原爆なんか作りやがってと思うけど、最終的な悪は結局投下を決めたやつ。
つまりトルーマンが一番憎たらしかった。でも大好きなゲイリー・オールドマンで全然気付かなかった笑

原爆は戦争を終わらせたとよく言うけど、
わざわざ投下しなくても、一般市民に被害が及ばない場所で威力だけを見せれば十分。
2発も落としたのは後の冷戦に繋がる対ソ連への威嚇や人種的な偏見もあった気がする。
結果的に原爆によって50万人以上の死傷者が出てる。
日本はどこかの国と違って、過去のことでいつまでも他国を恨んだりしない。
ただ正当化と今後使用することだけはやめてほしいな。

現在核兵器を保有してる国は全部で9カ国。
その中にはロシア、中国、北朝鮮もいる。
日本のすぐ近くにこんな恐ろしい武器を持つ国があることを再認識して安保を考えたくなる。
原爆資料館には1回だけ行ったことがあるけど、直視したくないほどの写真を沢山観た。
是非、今核兵器を所有してる国の首脳陣に観てもらって原爆の恐ろしさを体感してほしい。
シュウメイシ

シュウメイシ