YLxx

ノースマン 導かれし復讐者のYLxxのレビュー・感想・評価

4.1
カラスは思考と記憶をオーディンへ伝える。復讐の為生き燃やし続けた炎が行き着く先とは、

ロバートエガースが作り出す映像はどれも緻密で繊細な部分と暴力的な部分が混在しているから好きだ。動物や神話の引用が多いのは押井守に似ていて好きな点でもある。

今回はさらにそこに北欧神話という壮大な物語が軸となり、復讐ダメ絶対の典型的エンタメに振り切ったことで密度の高い作品になっている。戦場でのカメラが途切れず建物を跨いでいく描写が多く使われ、さらにセリフをカメラ目線で視聴者に問いかけるようなカットを作ることで世界に吸い込まれる感覚になる。

漫画好きならおそらく幸村誠作品や三浦健太郎作品を想起させられる場面や単語が多く、前作ライトハウスに比べかなり現実と幻のコントラストがかなり分かりやすい。
ニコールキッドマンのあの演技さすがに震えた。
ウィレムデフォーの顔/表情だからこそ成立するあの頭部のシーン恐れ入った。さらに売れっ子になったアニャもかなり気合が入った演技を見せており、ロバートエガース次はこの二人主役で作って欲しいなと。

映像が暗すぎて黒が飛んでる気がした、4k等で見ればもっと良くなるんだろうか。

映画館でもう一度ライトハウスみたくなった