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ノースマン 導かれし復讐者のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.8
これを観た日、1月25日は、全国的に大寒波。
めちゃくちゃ寒い。毎年言ってると思うが、冬ってこんなに寒かったか。というぐらい寒い。

そんなめちゃくちゃ寒い中で、何と、男臭く、無骨で、ワイルドで、復讐の炎に燃えるアツい作品に出会ってしまった。

男臭く、ワイルドだけど、アニャテイラージョイ、綺麗。美しい。
画面に映るだけで映える。この作風なので、もう出てきただけで、というか、早くまた登場してくれとさえ願ってしまう。
ミステリアスさと、意外と優しく、影でひっそり支える姿が素敵なキャラクター。

偉大なる王家の王子として王家を継ぐかと思いきや、寸手のところで身内に裏切られ、イーサンホーク王様が殺される。ニコールキッドマン女王も連れ去られてしまう。

命カラガラ逃げ延びて海を出た幼き王子、それが数年後、ロシアの獰猛なヴァイキング族に拾われて、ワイルドに成長する。
それがアレクサンダースカルスガルド。実写『ターザン』の人。

その彼がずっと胸抱く、復讐の念。この映画はその不屈の戦士となった彼が裏切りの主を探し、戻り、殺す、、、その壮大な復讐の物語。

セリフや雰囲気が北欧神話をルーツにした厳粛さが漂うから、とても厳かで、重厚。
村に攻め込むシーンなども動きの多いカットが長いからとてもリアルで戦いや逃げ惑う民の息遣いが伝わってくる。

本編は長めでじっくり、ちゃんと、パートに分けながら描き切るから、全体的なタッチや儀式、神秘的な雰囲気もあってちょっと舞台を観てるみたい。

骨太で、重厚。厳かな神話が息づくリベンジ。
その一連の一部始終を見た目が濃い主要キャストと圧倒的な絶景を背景にジワジワと進めていくので、PS系の壮大なオープンワールド系の神話系RPGみたいなイメージ。

しかし、この執念。
ゆらゆらの心に燃える憎しみの炎が、少しずつその勢いを増し、爆発する。

そして、なんなら、自分が思っていた“裏切り”の経緯と顛末と違う新たな事実も見聞きすることになり、彼自身の心もまた乱れに乱れていく。

この復讐の炎の矛先、そして、彼の行き着く先。

子供の彼が逃げるシーン、村に攻め込むシーンも、剣を手に取るシーンも、最終決戦も、鬼気迫る圧倒的な迫力がすごい。

そして、王位継承の儀式や、魔女の登場、呪いめいた歌や歌。
作り上げられた世界が圧倒的で、物凄い波に飲まれる感じ。

本当に休みなく、最初から最後まで、彼の復讐の炎が絶えない。もはや“彼のリベンジ”そのものの映画。

いきなりウィレムデフォーが出てくる。
そして、出てこなくなったと思ったら、いきなりまた“そんな姿”で出てくる、、、ものすごいインパクトで。

これがこの作品の中では“日常”の出来事みたいに思えるほど、すごい世界に染めてくる作品だった。


F:1971
M:2344
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