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シラノのmatchypotterのレビュー・感想・評価

シラノ(2021年製作の映画)
3.6
映画館で何度か予告編を観てたぐらいで臨んだら、思ってよりもミュージカルだった。

ヘイリーベネット、この塩系の幼系美女、ホント綺麗。色白だし、この手の衣装がめちゃくちゃよく似合う。

シラノ、ピーターディンクレイジ。『ゲームオブスローンズ』の“インプ”、ティリオン。数多くの映画にも出てて、本当に存在感が抜群。

本作では、この見た目が、切実に活きている。
演劇や詩の才がある騎士で見た目を臆せず大口叩いて周りの対等にやりあうキャラである反面、人知れず絶世の美女、貴族の高嶺の花、ロクサーヌに恋心を寄せる。しかし、それは決して表に出してはいけないことと普段は心にしまっている。

それがロクサーヌが友人としてまさかの恋の相談を受けてしまったことで、一気にその気持ちがてんやわんや。

そのロクサーヌが想いを寄せるのはシラノの騎士団の後輩、新入り。そいつとロクサーヌの恋のキューピットにならないといけなくなり、2人の文通することに際し、彼が新入りの恋文を代筆しだす。

新入りの思いを彼が代筆。彼の言葉で。
その言葉でロクサーヌは新入りにどんどん惚れ込む。

これは、新入りに恋しているのか、言葉にしたためるシラノに思いを馳せているのか。

新入りも自分に惚れてくれているのか、自分の言葉ではなくてここまでトントン拍子に高嶺の花に近付けて良いのか、本当の愛か。

シラノも代筆しているだけか、自分の私情をしたためてないか。その手紙に対してロクサーヌから返ってくるこの恋文は自分と共鳴してないか。

この3人のいびつなやり取りが、3人の運命を動かしていく、、、。
そして、その運命は必ずしも3人にとっての希望通りかもわからず。
ひいてはこの結末は3人の中の1人だけでも思いが叶ったのかも、、、。

とてもピュアな純愛であり、三角関係であり、正々堂々ともしており、まっすぐでもある。

この楽曲たちがとてもそうだと思える純粋なキャッチーさがあって、3人の気持ちが重なり合って、真っ直ぐさが交錯していることを感じられる。

中世の雰囲気も、ミュージカルとしても、ピュアでもあり、色んな劣等感や願望が抑えられずに歌になる。
結構ど真ん中の作りだと思う。


F:1815
M:2320
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