影屋れい

仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズの影屋れいのレビュー・感想・評価

2.0
『仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』。
主役たる《仮面ライダー センチュリー》の一人、百瀬龍之介がお笑い芸人《カミナリ》の石田たくみさんにしか私には見えない件。このせいで何故か笑いがこみ上げてしまう…もう少しキャスティングをどうにかできなかったのか…。

話を映画に戻して。今作は【父と子】【家族】をメインテーマとしている。特に【父と子】。これが実に私に刺さらない。【父】を生まれたときから知らない私には何とも伝わらない感情。義理の父は何人かいたが、何れも「雄ライオンは新しい群れのリーダーとなった時、以前の仔は殺す」…が如きなので察して頂ければ有り難い限り。
仮面ライダーが生まれて50年。そして私も生まれて50年。
この節目で心情に相反する作品に出会えたのは何たる皮肉。

映画の世界では各仮面ライダーを知る世界線。だが、実際の『仮面ライダーリバイス』等では他世界の仮面ライダーを知らないのがほぼ常識。これを繰り返されるのは些か困難困惑。いい加減に世界線をキチンと統一して欲しいですね。

主人公たる《百瀬龍之介》の罪はおよそ世界観的な数日間で償えるものでは無い。史上稀に見る極悪人の一人と言っても過言ではない。それを【父と子】の安っぽい短時間リペア物語として流すのは無理がある。
それが薄っぺらさに拍車を掛ける。この【センチュリー】をカッコイイッッ!と思う子供はいるのだろうかとも疑問に思う。百足だしなッッ!!!

兎にも角にも薄っぺらい『仮面ライダー』。
『アベンジャーズ』を意識しているのも見え見えで実にみっともない。世界規模の危機を描く演出も予算的にB級のパロディ映画にしか見えない。『仮面ライダー』も実にお寒いことだ。

そして補足として最大の不満は、藤岡弘さんの息子、藤岡真威人さんの扱い。いくら実子だからってあそこまで極端な演技を強いた意味が分かりません。あれでは『仮面ノリダー』と何ら変わらないじゃないか。

仮面ライダーオタクが悪ノリして作成したクソ作品。
影屋れい

影屋れい