傑作「スリー・ビルボード」から5年。マーティン・マクドナー監督の新作がようやく日本でも公開。
予告編などからどことなく変な雰囲気を感じていましたが、実際は予想以上に変な感じでした。サスペンスのようでもあり、コメディでもあり、笑ってしまったかと思えばぎょっとさせられたりと、感情が揺さぶられました。
言ってしまえば男同士の喧嘩、諍いのようにも見えますが、一方が一方を嫌いになった、というちょっと理不尽なようで、ただその理由についてはなるほどな、と思う部分もあり。
とにかく会話ひとつひとつが面白いので、役者陣のかけ合いが楽しかったです。
コリン・ファレルの顔芸、とくにハの字眉毛が良い。ちょっとした表情の変化で感情の機微を上手く表現しているし、何か突っ込まれる度に「Haa？」って言うところなんて最高でいちいち笑っちゃいました。
第95回アカデミー賞で主演男優賞ノミネートも納得の見事な演技だったと思います。
あと、ロバのジェニーちゃんをはじめ、動物たちが可愛いこと。何回撮影しているかわかりませんが、こちらも見事な演出でほんとに良い演技（？）でした。
ギネスにアイリッシュウイスキー、アイリッシュミュージックと、アイリッシュ文化にも触れられる作品なので、美しい風景と相まって、アイルランドの魅力も感じられる作品だったと思います。
さすがマクドナー監督、今回も最高です。
