ペンギン侍

イニシェリン島の精霊のペンギン侍のネタバレレビュー・内容・結末

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

閉鎖的な田舎の孤島で起こるおじさん二人の喧嘩。

友達に突然「お前のこと嫌いになった」と絶縁宣言されたら誰だって困惑してしまう。なぜコルムはパードリックを突き放したのか。

閉鎖的な島国は外からの情報も得られず、新しい人の流入もない環境。いわば毎日同じ生活を続け死ぬまでの暇つぶしを続けるうちに、皆どこか意地悪で厄介になってしまう。そんな中、パードリックはどこか抜けてて退屈で唯一の“いい人”だった。“いい人”は気に障る。そして苛つきの対象となり、コルムは離れることを決意したのかもしれない。放っておけばいいのに!と思っちゃうくらいパードリックはコルムにぐいぐい行くもんだから、見ててもちょっとイライラした!笑

取り返しのつかない喧嘩が混沌とし、さらに悲劇的になっていくにつれ、“ここから逃げられない”怒りもぶつけ合っているようにも見えたし、お互い中年まで貯めてた孤島の閉塞感が爆発しているようにも見える(こんなにおじさんになってからの初めての変化なのかもしれない)それでも外(本土)に出ていく勇気もない。まだこの地で、ふたりは友情を再生するのかもしれない。

黒服おばあちゃんがふたり死ぬ的な予想をしていましたが、ひとりはドミニク、もうひとりはこの島を出て行ったシボーンを示唆しているのではと思いました!
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