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イニシェリン島の精霊のTENのネタバレレビュー・内容・結末

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

マーティンマクドナーの前作「スリービルボード」でも感じた、心の距離すれ違いギスギスが今回もメチャクチャ上手かった。

自分の意見としては、この閉塞的なイニシェリン島の村の人間や闇を描きながら、大まかには「内戦」という出来事の出自を描いているんだと思った。何故内戦が起きるのか、なぜ身内同士で争うのか、って事をあくまでローカルなヒューマンドラマとして映し出してる。

コルムの要求と覚悟と罪悪感。パドリックの光と闇と依存。若き少年の希望と絶望。シボーンの責任感と勇気と生きる希望。ドンキーとワンちゃんの鬼の可愛さ。どこにも行けない鬱憤とただただ広がる闇の晴らし合い。

ドミニクは村人に疎まれがちなおバカに見えて実は頭が良いというか勘と地頭は良いように思える、だからこその結末だろうし、、そして何よりそうやって人間の心情模様を考えさせてくれるバリーコーガンの演技が超上手い。いやほんとバリーコーガン最高。

コリンファレルとバリーコーガンの組み合わせ最高だな。今作のコリンファレルの演技も好き。

今後もイニシェリン島の精霊が微笑み佇むような人の生き死に懸かった喧嘩をしまくるのかなあの2人は。

なかなか孤独な突き付けがエグかったです。
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