榎木津

イニシェリン島の精霊の榎木津のレビュー・感想・評価

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)
4.2
『スリー・ビルボード』の監督作という理由で観たはずなのに、ついクリントイーストウッドが作りそうなタイトルに油断した。感動なんてない相当しんどい映画だった。ただ孤独な人がひとりで観ると相当しんどい映画でも、ひょっとすると二人で観るとコメディにも観えるかもしれない。

監督曰く、アイルランド内戦をメタファーにしたディスコミュニケーションに関する哀しく救われない映画。犬は死なない。でも良心は死ぬ。

内戦はいつか終わる。でも失ったものはもう戻らない。ラストシーンはパードリックが観たい架空の風景だと解釈した。今年観た映画ナンバーワン(まだ2月だけれど)

でも物語性と少しでも希望があるだけ断然スリービルボードの方が好きかな。
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