このレビューはネタバレを含みます
普段見ないようにしている部分を、見せつけられたショックな作品。
現代ではおそらくほとんどの人が無意識に人を選び付き合っていると思うけど、この閉鎖された狭い島の中で、付き合う人を選ぶという行為はこんなにも波紋を呼び、人間とは何かを問いかける。
コルムはただ最初パードリックがうざくなったのだと思う。人生に残すものがうんちゃらと言ってるけれど、音楽や自分の知性を満たす会話ができないパードリックが煩わしくなったのだ。
しかし、後半になると風向きが変わってきて、コルムの考えも変わってきたように思った。付き合う人を変えたからって、自分の人生に何かを残せるわけじゃないのだと。
知能の差なのかわからないが、パードリックやドミニクのような子供のような人は現代にもよくいる。自分はついコルムに近いと思ってしまうが、そんなのわからない。ある人からみたら、私はドミニクで、ある人からみたら私はコルムなのだ。
ドミニクの言葉に個人的にハッとさせられた。
"12歳の子供かよ"とか、"新しい自分になれってことじゃない?"とか。あー、ホントに知能なんてあてにならない。
2023-42