ワンコ

BLUE GIANTのワンコのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
5.0
【パッション】

朝早くからドルビーのシアターは盛況だった。
漫画のファンが多く来ているようだった。
そう云う僕もこの原作の漫画のファンだ。コミックは全巻持っている。
そんなんで、はじめに言っとくと、満点だ。

映画館の席の僕と同じ並びの隣の隣の男性は、終盤に何度も眼鏡をあげては涙を拭っていたみたいに見えた。

昔転職したアメリカ企業に、スタッフの心得みたいなのがいくつかあって、その中にサイエンティフィクであることと、パッションが含まれていた。

人生はJAZZだなんて言う人はいるが、この心得を見た時に仕事も案外JAZZなんだなんて思った。
これをリードした人は類稀な経営者としての才覚のあったアメリカ人の女性だった。この人と某日本の大企業の役員と面談したことがあったが、大変申し訳ないが彼はバカにしか見えなかった。その会社は凋落著しい。
彼女は若くして病気で亡くなられてしまった。彼女の歩んだ人生を聞いたことがあるのだけれども、まさにJAZZだったように思う。

この「BLUE GIANT」は、端的に(決して悪気はない)スポ根JAZZ漫画なのだと思うのだけれども、ストーリーからは本当にJAZZが聴こえてきそうな感じがする。そして、やっぱり人生はJAZZだと思わせてくれる気がする。野球やサッカー、バスケなんかのスポ根漫画に青春や人生を感じるのと同じなのだと思う。

そんなんで、映画化は楽しみにしてたし、終盤の隣の隣の男性の気持ちもなんだか分かるのだ。

余談だけれども、BLUE NOTEを模したのは、まあそうだとしても、COTTON CLUBの入っている丸の内のビルの外観までそっくりに描いてあるのには笑ってしまった。

前にロンドンで勉強させてもらっていた時に、サラリーの他に会社から結構な額の補助が出ていて、毎週試験で大変だったけど機会を見つけては、SOHOのRonnie Scott’sに通っていた。
だから、東京編の後のSUPREMEは、ロンドンでRonnie Scott’sをもじったライブスポットを目指して欲しかったのに、大が向かったのはミュンヘンだった。
まあ、それはそれとして、そちらも映画化して欲しい。

BLUE GIANT 関連のアルバムはもう漫画の初めの頃から出ているし、今回サントラも発売されているけれども、前のもCDジャケットは結構イケてるし、サブスクでも聴けるので、もし漫画も知らなかったとか、でも映画で興味が出たという人は是非聴いて下さい。

あと村上春樹さんのJAZZの本もイケてるし、文庫化もされてるみたいだから読んでみて下さい。これもJAZZが好きになるきっかけをくれるような気がします。

今日、通りを歩いていたら、鎌倉シャツがコラボでボタンダウンを発売してて、思わず買いそうになった笑
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