すし

BLUE GIANTのすしのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.0
折角の音楽映画なので轟音上映で鑑賞。

JAZZは偶に聴くぐらいで、ブルーノートの存在を何となく知ってるくらい。
上映前に調べたが、ジャズの発祥は19世紀に白人が黒人奴隷に音楽を奏でさせた事から始まり、その雰囲気が「物憂げなブルー」であった事に端を発しており、ブルースの語源でもあるらしい。

作中ではまだ青臭さの残る10代の青年達が、「世界一になる」「音楽で勝つ」「居場所を見つける」と各々の目的のもとにジャズに没頭していく。

それぞれの感情のもとに奏でられる音が絡み合い、時には喰い合う事でセッションを成す。
その音は決して物憂げな青ではなく、熱を帯びた赤、興奮の黄金と様々な色を見せ、次第に温度を上げ高温の火の如く、熱狂の青に成った。

「JAZZは感情の音楽である」との作中での言葉通り、夢を追う青年の音はひたすらに眩しく熱い。
ブルースの話も奴隷が境遇を嘆いて、故郷を想って「物憂げ」だったのかと想像をしてしまった。

音に自身の感情を曝け出し表現する行為が人の感情を動かし、感動へと導く事ができる。改めて音楽は素晴らしいなと思いました。

原作未読でも全然楽しめるし、もし続編も映像化してくれるなら多分観に行くと思う。興味あるなら是非劇場で。
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