ネロ

BLUE GIANTのネロのネタバレレビュー・内容・結末

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

夢を追っている人は是非見るべき。

これくらいの熱量と行動力が無いと厳しいよ、を体現してくれているのが主人公・宮本大。
彼は本当に強い。芯が強い。絶対に叶えたい夢のためにどこまでも突き進める人。だから少しだけドライかな、と思える部分もあるけど、それだけ本気ということ。
変態で天才。本当にその通り。
シーンの色々なところで大についてインタビューされてたから、きっと世界で活躍するプレイヤーになってるんだろうなぁ。


そんな大に触発されて、雪祈(ピア二スト)はもっと自分を高め、玉田はドラムを始める。

雪祈は壁にぶつかりながらもピアニストとしても人としても成長していく姿が素敵。大好きで得意なこと、そして勝つことが第1目標だったからだから、プライドでカチコチになっていたけれど、指摘されたことをしっかり受け止めてちゃんと向き合った。逃げずに、2日間も現状の自分自身を見つめ直した。本当にやりたいことで好きなことだから出来るんだよなぁ…。苦しくて辛いのに凄い。
最後の舞台での演奏も、万全の状態じゃないから1番悔しかったと思う。自分なら相当悔しい。きっと、憧れてあの舞台にこだわった時間はいちばん長いだろうから。
それでも、その状態での最高の演奏を魅せた雪祈の、普段の努力量とか壁を乗り越えた新しいピアニストの姿が見えて感動的でした。
空港をたつ大に「お前のピアノの1番のファンだ」って言われて嬉しかったし悔しいだろうし複雑だっただろうな…
大のサックスに負けたくなくて必死で追いかけて食らいついていたから。
恐らく、インタビュー映像で雪祈が出てこなかったと思う。だから、世界のどこかで雪祈もジャズピアニストとして活躍してたら嬉しいな………。

玉田も、経験が浅いことを言い訳にせず、みんなより下手だからと一生懸命練習する。最初の演奏の描写に比べ、最後の演奏だと腕を柔らかく使って演奏出来ているのを見ると相当練習したんだな…と感動。
元々サッカー部だったってところから、信頼出来るみんなで高みを目指すのが好きだったのかな。
だから、JASS解散後はドラム続けなかったのかな、と推測。かけがえのない仲間に出会えて最高だった、と後のインタビューで答えてるから、悔いはなさそう。




近年、主人公が周囲の人間に影響されて成長していく流れが多い中で、主人公が周囲に影響を及ぼす作品は珍しいのでは無いか?と思う。

また、演奏シーンが本当に綺麗で美しい。
音楽への没入感、演奏や客席との一体感、高揚感、熱、その全てをアニメーションで描こうとしているし、実際描かれている。
最高でした。
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