常盤しのぶ

BLUE GIANTの常盤しのぶのレビュー・感想・評価

BLUE GIANT(2023年製作の映画)
4.7
予告を見ていたら次第に観たくなってきて鑑賞に至る。原作未読。努力のバケモンである主人公がしっかり最後までバケモンとして表現されていて観ていて非常に気持が良い。

スラダンと違い、ライブシーンのみ3DCGを取り入れている。そのため2Dと3Dが交互に出てくる形となり人によっては違和感を覚えるかもしれない。ただ、それをもってあまりある圧巻のライブシーンなので気後れせずに観てほしい気持ちが強い。アニメ映画というよりもミュージシャンのライブビューイングを鑑賞した気分になる。

本編シナリオは良く言えば王道、悪く言えばありきたり。物語の展開にハラハラする必要もなくライブに意識を集中できる。ドラムの玉田が超ド初心者なのに挫折を繰り返しながら人前で叩けるようになる様子はこの成長を見守る親のような気分になれる。そんな彼もとあるシーンで覚醒する。演奏中、そして演奏後の彼の表情で感極まってしまった。ああいのに弱いぞ私は。

ピアノの雪祈は周りよりピアノが上手いからと天狗になって結局仲間の足を引っ張るタイプ。でもかっこいいんだよなぁ……。今まで順風満帆だったのに壁にぶつかってプライドやら何やらかなぐり捨てて泥臭く努力する練習する姿に私は弱いぞ!! 髪を下ろすな!! 私が死ぬ!! そもそもとして若い男が泥臭く努力する姿が私はたまらなく大好きなのだ。

音楽周りの監修は錚々たるメンツなので当然期待して良し。観て損はさせない。どのライブシーンも最高だが、特に最後は色々な感情がぐちゃぐちゃになって最高。

上映中にオススメしたかったが遅れてしまったので配信来たら是非ともヘッドホン装着で楽しんでほしい。