たく

やがて海へと届くのたくのレビュー・感想・評価

やがて海へと届く(2022年製作の映画)
3.5
最初「震災を借りて描く必要あるのか?」と疑問に思ってたけど、なんとなく最後のシーンを観てて、この映画は、別れを伝えることなく自分の中から去ってしまった人たちへのgriefな感情と向き合ってる映画なんだなと思った。

でもやっぱり震災である必要はあったのかは疑問なんですが、、ああいうアニメーションとしての描き方も、神秘的な生命のサイクルのようにしてしまっているのも、それはどうなんだ、、って気になってしまいました。

「死に目に会う」という言葉は、死ぬ間際を共にするというような意味だと思うんだけど、私は個人的に「その人の死に対面して、向き合うこと」だと思っている。死に顔を見て、ああ、本当に亡くなったんだ。という気持ちになることを、死に目に会って、受け入れる、というような。
すみれが本当に亡くなったのか、生きているのか分からないまま、彼女がいなくなった事実だけが残されているマナの、向き合うことの映画でした。

んーでもやっぱり浜辺美波ちゃんのウィッグもなんかイマイチだし、、、なんか家庭環境の話も、同性愛的な要素も、全部ぼやぼやーっと描いてるから、なんか深そうで決して深くない映画で終わってしまってる気がしました。多分原作がそうなのかな。。残念。
たく

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