こーすけ

ラーゲリより愛を込めてのこーすけのネタバレレビュー・内容・結末

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦争をテーマにした映画をちゃんと見たのは初めてかもしれない。しかし、戦いの最中というよりかは、戦後ロシアに戦犯として取り残されていた人たちの話。収容所で、過酷な環境の中、飯もろくに与えられず労働を強いられ多くの人が命を落とした。
主人公の山本は、そんな辛くきつい環境の中でも、なんとか「希望」を見出し生きる事が必要だと、自分にもそして他人にもその必要性を説き、野球や詩など息抜きの方法を考えたり、束の間の道楽を認めてもらうために体をはって抗議もした。最初は頭のおかしなやつだと思われていたが、みんなに徐々に認められていく。山本が体調を崩した時に、みんなが命をかけて、大きな病院に連れて行くようストライキを起こすほどその信頼は絶対的なものになる。
山本の遺書を仲間で暗記し、家族に伝えるシーンは涙が止まらなかった。一人一人の暗唱の声と山本の声が重なるとき、そして、それぞれの山本に対する気持ち、山本の家族対しての気持ちが色々と重なり、なんとも言えない感情になった。山本の言葉で、「頭の中で考えた事は誰にも奪えない」という言葉があったが、まさしくその通りで、これが文字、感情、言葉の力だと感じた。
戦争など2度と起こらないでほしい。そして、愛する人を見つけその人たちのために生きたいと思う。「最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである」この言葉も忘れずに生きていきたい。

P.S二宮和也(山本幡男)と安田顕(原幸彦)、桐谷健太(相澤光男)の演技が非常にうまかった。
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