柊

燃えあがる女性記者たちの柊のレビュー・感想・評価

燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)
3.9
この国ほど根強く階級差が現代でも平然と残っている国を私は知らない。
モディ首相が民主主義を掲げて圧倒的な力で選挙に勝とうともそのバックについているのはコテコテのヒンズー教崇拝者達。
政治と宗教は本来一緒にしてはいけないのは世界の常識と思うが、まさにズブズブの関係。
これが間もなく中国を抜いて世界一人口の多い国の素顔かと思うと不安しかない。
なぜならヒンズー教ってカースト制度が基本ではなかったか?
おまけに男尊女卑。

今回頑張っているのは、そのカースト制にも入らない最下層の人々。おまけに女性。
電気がないのでスマホの充電ができないと言う悩みがあったが、スマホを駆使する前に環境がまるで整っていない。それでも体当たりで取材して、取材ルールそれで大丈夫かぁ?的な素人軍団でもマスメディアの果たさねばならぬ最も大事な所はきちんと押さえている。なんと強い女性達だろう。
でも最後にクレジットされていたが、この国はここ数年で40人ものジャーナリストが殺されているという事実。
彼女達のやっていることは政府のおかしさ,理不尽さを訴えること。紙だけでは闇に簡単に葬り去られてしまう危険があるからこその顔を出しての映画でありSNSの駆使なのかと思うが、上映中も漂う,あなた達身の安全は大丈夫なのかと言う観ているこちら側の不安。
全世界が観てあるからこそ簡単には闇に葬れなくなったと思いたい。

それにしても,レイプを若気の至りと言い、被害者でありながら全く声をあげられない国に世界のIT社会をリードする資格があるのか問いたい。
柊