ミミズ式SGキネマ倶楽部

ブラック・フォンのミミズ式SGキネマ倶楽部のレビュー・感想・評価

ブラック・フォン(2022年製作の映画)
4.0
安定のブラムハウス社製ホラーで、スティーブン・キングの息子ジョー・ヒルが原作の作品です。結論から言いますと、「大傑作」です。

 メインの3人の演技が凄まじいです。変態役をやらせたら一級品のイーサン・ホークは本作でも健在。特に上半身裸になりながら、椅子に座るシーンは最高に最低で、身震いすること間違いなし。そして子役2人メイソン・テムズ、マデリーン・マックグロウは最高の演技をしてくれます。強い妹であり、早くも2023年ベスト妹賞にノミネートが確定しているマデリーンの泣く演技や怒る演技は大人顔負けです。注目したいのが、メイソン君、バレエをやっていたという彼のしなやかでどこか中性的な感じは、最初こそ弱気な印象を受けましたが、物語が進むにつれ一人の男として成長しその絶妙な差を見事に演じ切っています。

 本作はホラーでありながら、青春群像劇になっています。ホラー要素はちゃんとジャンプスケアが用意されており、心臓がまろび出るかと。そして青春群像劇の方もきちんと100分の中で描かれており、ほろりと涙がこぼれ出ます。観客の心を揺り動かしてくれる良い作品です。

 全てのセリフがつながるラストは思わず手を握り締めて応援したくなります。おススメの一本です。是非ご鑑賞ください。