平田一

デューン 砂の惑星PART2の平田一のレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
5.0
IMAXGTレーザーでしか味わえない衝撃と、“救世主”を生み出すために張り巡らされる謀略…2部作の後編は『ロード・オブ・ザ・リング』以上の一大巨編にして古典、獰猛かつ残忍でドロドロとした政治劇…一人の映画オタクとして、これほどまで贅沢で、戦慄と興奮を絶えず味わうことが出来た166分間は至福を凌駕してました。これを越える映画が果たして、今年到来するのかな…

相変わらず原作の方は未読なんですが、観ててボクは大ファンのケビン・コスナーが監督した『ダンス・ウィズ・ウルブズ』に通ずるものに会えました。コスナーが自ら演じたアメリカの軍人が先住民族の生活や彼らを知って、愛するけれど、避けられない結末に引き裂かれていく様が、自分の目で、耳で、すべてでフレメンを知っていき、認められて、“破壊”されるポールと重なりましたね。

ただ一人、ありのままのポールを託されるチャニの、ラストシーンで体現したあの表情、悲痛さは、英雄譚としてのDUNEを完全に否定して、アンチ英雄譚としてのDUNEをそこに見ました(あのラストでこの映画は完全に名作です)。

壮大なヒロイック・スペクタクルと思わせて、その実は痛烈でダークな政治劇にして、現代の神話だったというこの映画、ヤバいです。確実に2024年度トップに入れたいし、キューブリック映画好きにも激推しの名作です!
平田一

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