山本Q

デューン 砂の惑星PART2の山本Qのネタバレレビュー・内容・結末

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

ッペンハイマーも始まったので、IMAXから弾かれる前に慌てて見てきた。
前作は劇場でみて直前には配信でも予習済み。予習はpart1のストーリーは忘れかけてたので凄く楽しめた。冷静に家で見るとアトレイデジスパパの悲壮な覚悟がより伝わってきて良かった。part1とpart2で一つお話しなので見た方がより楽しめると思う。

映画はまたとても良かった。何も調べてなかったので、サラッと出てくるキャストにいちいちびっくり。映像は凄いわ映画の中の盛り上がりは凄いわで圧倒された。
音楽もサウンドもすごい迫力。演出もキャストも音楽もビジュアルも古今東西の手だれ達が寄ってたかって最高の仕事を楽しんでいるのが伝わってくるようだった。
ヴィルヌーブ監督はやりがいを引っ張り出すのが得意なのだろうか。
SF映画というジャンルでは、語り継がれるモノになるんじゃ無いだろうか。スターウォーズようなSFテイストを振り払ってしまい、以後SF映画を撮る場合はこのデューンが基準になってしまうんじゃ無いだろうかという造り込み。

フランクハーバードの蒔いた種が長い期間をかけてあらゆるクリエーターを刺激し続けて、何世代も経て花が咲くところに立ち会えたと思わされる。

映画としての完成度が高いだけに、新しい物語に出会えた時の高揚感にようなものは感じれなかったのは意外。初めてレザボエドックスを見た時の凄いものを見た感。裸のランチを見た時の打ちのめされ感、マルコビッチの穴を見た時のなんじゃこりゃワクワクといったトキメキを受け取れなくて悲しい。年をとったせいだろうか。物語としては封建時代のロマンを異星に移し替えているので目新しくないのは仕方がないかとも思う。

お話運びはアクション満載の動的な印象だけど、止まり絵とか決め絵の積み重ねで見せてる感じが独特で面白い。キャラクラーのアップが多いのになぜかお話が進んでゆく。
その辺ウォンカーワイの見せ方に近い気もする。ということは、ハリウッドルックから離れようとしているってことだろうか。だからかどうか、たまに入る動的なアクションシーンがまた活きていたと思う。砂煙に浮かび上がるシルエットからの流れるような集団での襲撃。など、絵的な見せ方が面白い。

Part2はポールの預言者としての覚醒も見ごたえがあった。後半に向かうに連れて凄みを増してくるティモシー・シャラメとレベッカ・ファーガソンが経て行く過程ni
違和感がなく引き込まれる。ポールが預言者に覚醒してからの高揚感は見てるだけなのにゾワゾワするほど。言葉は少ないけど音楽と演出でバッチリ決めるの演出手腕が際立つシーンだった。「ザイオンでのモーフィアス」超えを果したと思う。

ハルコンネンサイドの描写もデザインから世界観からキャラクターから作り込みとセンスが良かった。新キャラも存在感バッチリ。

お話は原作からいくつか簡略化されていたりラストもちょっと踏み込んでたりと変更部分はあったけど、こっちの方が正解じゃんと納得できる作りで隙がない。なんか独特な話方を会得してるんじゃないだろうか。

「DUNE」がこういう方向でこんなに面白いんだったら、ブレードランナーももうちょっと面白くできたんじゃないかしら?と思わないこともない。あれはあれで好きだから文句ではないけど、面白いならそれに越したことは無んだけどなー。というような。

それほどな出演量でもないのに、レアセドゥとストーリー上まだ生まれてもいないアニャ・テイラー=ジョイ、理由不明の存在感抜群で得した気分になるフローレンス・ピュー(声の良さか?)あたりが目白押しな感じからして、次作へのやる気が激っており期待してしまう。
原作はまだあるし、ヴィルヌーブ監督はピータージャクソンの指輪物語のようなライフワークと捉えているのではなだろうか。貴重な才能の持ち主なので次のステージに取り組んでもらうためにもpart6くらいまでここままガガっと撮っていただきたい。

そして、おそらくこの作品に刺激されているであろう「現役の」または「将来の」クリエーターたちが鼻息を荒くしている姿が目に浮かんで胸が熱くなる。
山本Q

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