デニロ

デューン 砂の惑星PART2のデニロのレビュー・感想・評価

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)
3.0
PART1は155分。PART2はそれを超える166分。『オッペンハイマー』『デューン砂の惑星PART2』『ゴッドファーザーPART2』と三日続けて拘束時間3時間超の作品を観る。ほとほと疲れたのですが、本作が最も疲れました。

前作のことをほぼすべて忘れておりまして、この人たちは一体何をしているんだろうとしばらくの間途方に暮れるのです。死体から水を抜いたり、砂虫を乗り物にしたりする先住民/フレメンですが、この集団も色々な派閥があるらしくて単純な図式では図れません。

紀元10000年の宇宙帝国。地球人が宇宙を征服したらしい。でも、その帝国のスケールはよく分かりません。皇帝/クリストファー・ウォーケンという奴がいて、これが一番偉いらしい。公爵とか男爵とか言っているので、爵位で序列を決めているのだろうか。大領家というのがあって、所謂豪族の類いなのでしょうか。その豪族が皇帝を立てるという感じの様です。古代の天皇家と大連物部、大臣蘇我みたいな関係だろうか。PART1では、主人公ポール/ティモシー・シャラメのアトレイデス家が、その当主レト公爵があまりにも立派なために、その威圧感に怯えた皇帝に砂の惑星に行けと命じられ、皇帝と結託したハルコンネン男爵に謀殺されてしまい、失脚するというような話だった、と思う。

で、PART2は、ポールが砂の惑星の先住民/フレメンと結託して惑星の暴君ハルコンネン男爵に反旗を翻し復讐を果たす、という方向に流れているのですが、ここですっかり忘れている女性だけの教団みたいなもの(ベネ・ゲッセリット)があって、何だっけこれ。シャーロット・ランプリングが教母で、なんだかよく分からぬ占い?をしている。いや、救世主を産むだの、女を産めだの、物語とどうかかわっているのだか全く分からない。そういえば、PART1でアトレイデス家のレト公爵の愛妾レベッカ・ファーガソンがシャーロット・ランプリングに逆らって男子/ポールを産んだとか何とか。しかも、本作でレベッカ・ファーガソンがハルコンネンの娘で、ポールはその孫で、ということが判明して何をどうしようというのだろう。

お終いの方でポールはついにハルコンネンを倒して、皇帝を無力化しその娘と婚約します。その婚約で別の娘が泣くのですけど、そんな話も絡んで実に面倒くさい展開が加わるのです。周囲から救世主と呼ばれ、どこかの国の政治家の様に誰かに押される形をとって、わたしが皇帝になる、と宣言するんだけど、大領家グループからダメ、と言われてしまい、大領軍が攻め、ポールが反撃に向かうというところで終わります。そんな話だったっけ?

で、え、まだやるの、とため息を吐くのです。

レア・セドゥも出演していて、彼女はもしかしてPART3では重要人物になるのだろうか。PART3が数年後に公開されるとして、わたしはこの物語の核心を忘れているだろうことは予知夢を見るまでもないことを予言しておきます。
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