サーフ

カッコーの巣の上でのサーフのレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.3
ジャック・ニコルソンの快演、そして怪演が光るアメリカンニューシネマを代表する今作。

主演のジャック・ニコルソン演じるマクマーフィーは粗暴的だし真人間とは言えない性格。それでも彼が精神病院の生活の中でだんだんと同じ病院の患者達の心を惹きつけていき、1つのまとまりとなってゆく。強烈な個性がだんだんと患者たちに影響を与え生き生きとする様はかなり心温かくなる。マクマーフィーの他の患者たちの接し方がみんな平等に接してる。だからこそどんな障害を持っていようが対等に扱ってくれるマクマーフィーに惹きつけられるんだろう。

影響を与える中で患者たちは自由に触れ、同時に病院での「抑圧」を知るという流れ。対立する存在の病院側も善意からの行動という事がしっかりと伝わるような流れだからわかりやすい悪役よりたちが悪いキャラクター。

一番好きなシーンは終盤の宴のシーン。全員が生きる喜びを全力で楽しんでいる感じがする。

ラストはあれだけ人間が人間らしくある事を伝えてきたマクマーフィーが人間が人間でなくなるような展開は気持ちかなり沈む。ただその後のチーフの自由や人間らしさの獲得には快哉を叫びたくなる。まったく別の感情が続けざまにやってきて鑑賞後は何とも言えない気持ちになった。胸糞も悪いがスカッともする。複雑な感情。
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