サーフ

点と線のサーフのレビュー・感想・評価

点と線(1958年製作の映画)
3.5
松本清張の名作小説の映像化。

福岡県の香椎潟で1組の男女の遺体が発見される。最初は痴情のもつれの果ての情死と見られたが刑事の1人鳥飼が男女の死に方に疑問を呈する。
その後東京から三原刑事が鳥飼の元を訪れる。情死事件が東京で起こった汚職事件に関係していると睨んでの事だった。
彼らが事件を追っていく中でそれぞれ点だった物が1つの線へと繋がっていく…と言うのが大まかなストーリー。

丹念に事件を追っていく事で色んな事実が判明し、徐々に事件の真相が暴かれていくというミステリとしての面白さをしっかり感じる作品。
小さな謎から様々な所へ繋がっていき1人の真実へ導かれていく過程はワクワクさせてくれる。
事件のカギを握るアイテムなど時代を感じさせるアイテムが多く、この時代ならではの雰囲気も楽しめる。

事件の真相よりもこの事件に関わってくる1人の人間の"情念"が強く印象的だった。「誰が犯人か」は序盤で分かるので、物語の肝は「どうやって事件を起こしたか」になっていくけど、後半以降そんな事よりも犯人の陰に隠れて事件への導いていた人間の「情念の恐ろしさ」が際立つ。
人間の感情の発露とした事件に始まり、事件に終わっていく…最後の方は事件の犯人とかどうでも良くなってくる。
サーフ

サーフ