人生のベストムービー。
ジャック・ニコルソンの若々しく痛快で豪胆で繊細な魅力を観よ!
と叫びたい。ジャッキーカムバーーーック!
病棟の人々も、にっくき看護師長も、胸を刺すほどに生きている。
病棟の人々がささやかな欲望を叶えようとする眼差しの真摯さ。
ハッとする輝きに満ちていて、
希望とはお綺麗なものだけではないことに気付かされる。
そんなささやかな希望さえ打ち砕き支配しようとする冷徹な管理者。
名優揃いで何度観ても震える。ビリー頑張れ…!
こころの自由vs残酷な現実
勝者がどちらかは分かっていても、
マクマーフィーは構わず全身で訴えてくる。
ありのままに生き生きと生きてやる!
己の欲望の為にはルールなんて糞喰らえ!
理不尽な世の中にはパンチを喰らわせろ!
システムなんてぶっ壊せ!
人の自由を奪う奴は許さねえ!
さあ自由を手にしろ!生きろ!
ストーリーの芯ではリアリズムを喪わず、
希望も決して手離さない。
そして、あの力強いラストシーンへ…
観客の想像力をも解き放つ、素晴らしい素晴らしいラストシーン。
色々な感情が押し寄せてきて動けなくなる。
楽に観られる映画ではない。体力を使う。
人間の心の有り様だったり、生きている社会の違和感だったり、
生きるとは何かという問いだったり
現実でもやもやさせながら抱えているものを見せつけてくる。
でも、ああ、怒りを抱えている人が居るんだなと妙に落ち着く。
正しく語り尽くせないけれど
自分が映画に求める全てが詰まっている、と見返す度に思う。