たも

カッコーの巣の上でのたものレビュー・感想・評価

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.5
最後のシーンはオレの予想をはるかに上回ってきました。
最高です。面白かった。
涙が自然と溢れてきました。
鑑賞前に賛否両論あるという事だけは聞いていましたが、この作品に賞賛の拍手を贈りたいです👏
重々しいことを軽快にコミカルに描いていて、ジャックニコルソンを筆頭に他の役者もみんなリアリティのある素晴らしい演技だった
アカデミー賞5冠に恥じない、納得の出来栄えです!オレみたいに古い映画と侮らずに(見るか見ないか瀬戸際だった笑
どんな方にも一度は鑑賞することを勧めたい。

※以下ネタバレ※
最初の薬を飲まずに吐き出すシーン、テキサスポーカーがうまく進行せずにブチ切れて看護室の音量を下げるシーン、その後の外でのバスケットをインディアンに教えるシーン(前後合ってるかわからない)

今感想を書いてる時に気づいた。ここまでで「どうしてこんなにも印象に残ってしまうのだろう」と思った時にはもうこの作品の虜になっていたんだと…。
ワールドシリーズを見ていないのに楽しそうに実況してるシーンも個人的に大好き。

金髪の若者が自害したときにどさくさに紛れてにげるって選択もあったのに、看護婦長が許せなくて戻るところなんてマックの人格を表していると思う。
あそこで殺してしまうのは良くないけど、殺したくなる気持ちも分かる。
その後に首にギブスをつけて明らかに変化した看護婦長の性格を表すための挨拶とテキサスポーカーをやっているシーン
作者の意図に共感するからこそ、素晴らしいと思ったんだろう。それを総括する最後。

上辺を撫でたルールを重んじることへの批判的な精神が最高潮に達した

人を殺すことを美化すること
どんな人もタブーとして、悪としてまくし立てる。それすらも美しいことへ変換できる作者の思想に脱帽した。

最後のろうあのフリをしていたインディアンこそが賛否を分かつ要素なんじゃないかと思いますが、オレは人物としても行動としても最高に良かったと思います。
「このまま残してはいけない」
(オレにこんなにも変化を与えてくれて、今脱走しようと思ってる。なのにマック。お前はここで正気を失ったまま、希望も絶望もない廃人として生きていくなんて…そんなこと出来ない。衰退する姿を他のみんなに見せられない。なによりも自分が見てられない。一緒に脱走できない。それに誰もできないならオレが(ry
みたいな言ってもいないのに彼の心が聞こえてくるようでした。
個人的にあんな応答もできない状態は生きていると思えない。それでも殺すのはダメでしょ!と言う人が多いけど、もしオレがマックだったら、殺してくれてありがとうと彼に感謝の言葉を送っていると思う。

最後のみんなが絶叫して喜ぶところはマック全肯定って意味だと思えると素直に泣けてしまいました。マックがみんなに残したものはきっと規則の変化だけじゃなく、これからの人生を豊かにする大きな変化だった。

きっと心中「ありがとう」を交わしあって終わる素晴らしい映画でした。
たも

たも