ちろる

記憶の淵のちろるのレビュー・感想・評価

記憶の淵(2021年製作の映画)
3.4
戦争が全ての時間を止めてしまった
私の心はまだあのホームに取り残されたまま

時間は目まぐるしく進んで心が追いつかないまま、わたしをあの日から引き離していく。

それなりの幸せを手に入れて、それが私の元々の運命に違いないと言い聞かせていたはずなのに、何もかも忘れそうになった時に、私の中に隠していた時計が突然動き出す

なんて言う人生の悪戯

鏡を見ればただ、年老いただけのわたし
取り戻せない時間、運命の悪戯を恨めしく思うけれど、それより先に瞳から涙が溢れ、本当の喜びが顔を出して、これまでの景色がくすんでいたことに初めて気がつく

戦争によって引き裂かれた男女のものがたりをセリフのない音楽だけのアニメーションで見せる作品。

絵自体が少しヘタウマな感じでしたが、表現したい想いは真っ直ぐに伝わってくるような誠実なアニメーションでした。
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