アラシサン弐

ボイリング・ポイント/沸騰のアラシサン弐のレビュー・感想・評価

4.3
言ってしまえばクソ忙しいレストランの営業を見守るだけの映画なのだけど、94分全編ワンカットというイカれた撮影方法が凄まじい緊張感を生んでる。
どこまでが台本通りなんだろ。
ヤケドだいじょうぶか?

衛生検査で指摘受けた時の微妙な空気、異様に仲悪いキッチンとホール、インスタにうつつを抜かすオーナー、それに振り回されてキレる現場、など
「飲食店あるある」をこれでもかと活用して、いや〜な伏線をあちこちに設置させて、そこにシェフの個人的な問題も加わって沸点に達した時のカオスは最早カタルシスすら感じる。

発注忘れるし、予約確認してないし、ヒラメ捨てられちゃうし、もう笑うしかないくらいシェフ無能過ぎないか?と思って観てると、終盤になるとグダグダな理由が分かってシェフの見方が変わるのが面白い。

沸点に達してしまう引き金となる事件が、暴力とかではなく飲食店ならではのアクシデントなのも良かった。
アラシサン弐

アラシサン弐