いのりchan

ボイリング・ポイント/沸騰のいのりchanのレビュー・感想・評価

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凄く「演劇」で、かつ「人物描写はとてもうまくて」、没入感凄かったけどわたしにはそれだけだった。料理の調理シーンとかにもっと緊迫感があるかと思ったのだけど、たいてい盛り付けたりする機械的な反復動作だけだったから、そゆところも演劇的だなあって。映画だからもっとあるかな?って思ってた。いやむずかしいとはおもうけれど。

ララランドと同じで30分のショート作品としてならじゅうぶんだけどこれを90分でやるんだ、映画で…という。想定を超えない、自身をケアしえないひとのラスト。「映画」に求めてるものがわたしは違ったな、と。

なんというか演劇として考えても“想定しえる”ラストなのだけど、「こうなることはわかっていたでしょう」という制作側の姿勢みたいなのがちょっと透けてる感じもいやだった…。男が描いた自分をケアしえなかった男の末路というオナニー感、この苛立ち、伝わります?

怒鳴り声、人種差別、依存症、女性から男性へのセクハラ、なんかSNSのインフルエンサーがお店に無茶言う描写、があるので注意してください。

「リアルだ…」のみで評価できるわけじゃないんだなあ、と自分の評価基準について思いを馳せた。