Jun潤

極主夫道 ザ・シネマのJun潤のレビュー・感想・評価

極主夫道 ザ・シネマ(2022年製作の映画)
3.5
2022.06.07

ドラマシリーズの劇場版ということで鑑賞。
原作の存在は知っていたけれど、キャラクターも主人公しか知らなかったので、玉木宏ヤクザの役似合うなーて感じでドラマの方は見ていました。
とはいえそんなに大人気だった印象もないし、ぶっちゃけ謎の劇場映画化。

かつてヤクザとして道を極め「不死身の龍」と呼ばれた男は、現在は主夫業に勤しんでいた。
妻の美久と娘の向日葵と共に、その言動と風貌から勘違いされてトラブルが起きることもあるけれど、平和な日々を過ごす。
ある日、町内会の範囲内に、龍と因縁?がある近藤をボスとする地上げ屋が現れる。
迷子のハムスターの飼い主探しに始まり、龍の隠し子騒動、地上げの被害に遭う保育園の用心棒、子供たちの誘拐などなど、龍の周りで起きる騒動はドンドンヒートアップ!
果たして龍は、自身の“道”を貫き、極めることができるのかー!?

日テレが制作幹事の割に悪ノリ内輪ノリの塩梅のちょうど良さ。
いつもこれくらいがいいんだけど、絶妙すぎるから再現が難しそう。

現代日本版ウソのない『SPY×FAMILY』。
日常の中に自然と存在しているヤクザ者というインパクト大な設定から成るホームコメディを、玉木宏を始めとした豪華俳優陣が原作の個性的なキャラクターたちを見事に演じ、実写映像化。
出オチ感もなく、独特な淡いフィルターを通したハートフルホームコメディな感じを保ったまま1クールやり切ったのは好印象を与えてきますね。

さて、そんな連続ドラマ版が映画になって帰ってきた。
邦画の中でもクオリティ高めなゴリゴリアクションシーンや、全身の刺青に細かい下ネタなど、テレビ放送の枠では描けないところはスケールアップしているものの、舞台や雰囲気はドラマ版そのままで、ホームコメディであることを貫き通していましたね。

特に印象的なのは舞台設定で、主人公がヤクザなのだからやりたい場面やあり得そうな場面が豊富なところを、場面で見せるけど舞台は龍などの脳内で完結していて、スケールアップした劇場版の世界でも、町内の域を出ないアットホームな雰囲気であふれていました。

親子愛やら博愛やら匂わせたけどそんなん関係ねぇ!笑え笑え!!な作風だったのも、あまり頭抱えず肩肘張らずに観られる上に、鑑賞後感はスッキリするしエンドロールに仕掛けはあるしで満足度高めに仕上がっています。

濃すぎる役者陣がノリノリでかましてくるアドリブ感満載な演技に加え、それらに対して笑いを堪えてそうな志尊淳を見ているととても微笑ましい気持ちになれます。
Jun潤

Jun潤