デンマちゃん

ウーマン・トーキング 私たちの選択のデンマちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

◼︎加害者と被害者、男性と女性、保守と革新。二項対立は構図を単純化し理解が捗る気がしてしまうが、納屋の女たちのように思考も経験も異なる人々が社会を構成している。皆一様に男たちから暴行を受けていても、それぞれ固有の痛みを抱えている。

◼︎女性たちは読み書きが出来ず、権利も安全保障もなく、縋る縁は信仰だけ。とても現代劇とは腑に落ちない。

◼︎彩度の低い映像と、殆ど納屋に固定されたロケーション、女性たちの会話だけが淡々と映される全編視覚的なキャッチに乏しい映像。男性優位な家と職場を経てきたためか、議論の展開そのものを興味深く観察した。納屋での議論が進む中で、強烈な感情が発火する場面もあるが、一方仲間の痛みに共感を示し肩を寄せて聖書を唱える場面もある。

◼︎francis mcdomandの存在感たるや。ほとんど台詞もないのに。