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時代革命のsnatchのレビュー・感想・評価

時代革命(2021年製作の映画)
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二十歳の時に初めて行った外国が香港。
いろんな国の人々で溢れ若者は英語で会話して、同時に魔窟のような島に、人々がごちゃごちゃ何もかも吞み込むような刺激的な場所でした。
その数年後の天安門事件の後に私は中国へ行き、大陸は皆んなが皆んな貧しいと知り、その時から香港と中国は全く違う“国”なんだと思っています。

2019年、再び甦った巨大な怪物中国に香港の自由が奪われる。カラフルだった自由な世界が、国家権力に支配され監視社会に真っ黒く塗り潰される。中国大陸にいる友人も隠れて悲しんでいました。

若い人ならではの情報戦術もあるが、どうやっても、雨傘と煉瓦と手作りした火炎瓶であの強権な中国共産党に勝てるわけがないのです。傷つき死すら隣合わせの中を駆けていく十代の中高生と大学生たち。

断片的なニュースだけだと彼らは無謀に見えるかもしれない。でも、デモしたことある人もいなかったし革命起こそうなんて考えた事もなかった普通の時間を過ごしてきた、そんな若者たちが今、自分の立っている場所が犯され人権を奪う法律に次々と包囲され、自分の未来が砕け散っていくのが見えてしまう…じっとして見てはいられない、もう体は行動していく。

束になっていくひたむきさ、情熱、真剣さ、未熟さを含め、監督は香港人に強い思いを入れて映像にまとめた。

中国共産党寄りの人々や天安門事件以前の時代ごとの恐怖を知っている世代は殆ど出てきません。
親子が友人同士が隣近所が街が香港が分裂していく…これも中国中央政府にとっては、狙い通りなのでしょう。


最後に中国はもちろん香港でも、この映画は絶対に公開されない監督からの日本人へのメッセージがあります…心に刺さりました。
…これは将来、絶対に、香港が民主化された時の礎となる記念すべき作品だと祈ります

このドキュメンタリーに点数をつけられないと思い⭐️評価はしません。
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