『17歳の瞳に映る世界』という邦題通り、視線についての映画でそれは信頼の希求として表現される。前半10分にオータムが見たもの、男のなめた態度、両親の不誠実な態度、そして何よりまっすぐ見つめる鏡の中の自>>続きを読む
+ミア・ハンセン=ラブ監督オンラインQ&A
視線の交配、人の出入りや仕草の反復。本や手紙を落とすこと、何かに熱中しすぎることから生まれる喪失。
原作は見ている。しかし不思議な映画。会話主体で俳優頼みのドラマ作品にも関わらず、顔のアップはそれぞれの視点の交錯がうまくハマっていないし、切り返しばかりで話し手のワンショットを繋ぐばかり。長回しは独白>>続きを読む
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出たり入ったりの往復を繰り返す登場人物達、体制は変わることなく滅びていく一家。冒頭とラストの反復による逃げられない運命と亡き父の影。
ネオリアリズムでありながら常々画面には群像性とパノラマがあるので飽>>続きを読む
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冒頭のカーチェイシングのシークエンスにおける接写の繋ぎを見て、「動きを捉える気ないな」と思い、「映画」として見ることを止めてしまった。それゆえ美術・衣装のチープさや音響の悪さ、撮影の雑さ等々は目をつぶ>>続きを読む
初めてチャーチルが登場する場面における葉巻に火を付けたときに光る「赤」が、その後ラジオの生放送、タクシーを出ていく前の赤信号と結びつく。それは彼が新しい何かに導かれる瞬間、もしくは民衆に出会う瞬間を描>>続きを読む
時が止まってしまったかのような母娘の存在が凄すぎた。「グレイ・ガーデンズ」という失われそうな場所は、娘が述懐するように母親が気に入った人間のみ入れる場所でありモラトリアムな装置と化す。それ故二人の会話>>続きを読む
アメリカの矛盾についての映画。セールスマンは資本主義と宗教に引き裂かれた存在として描かれる。上司には「あなたは聖書を売りながら幸せを与えているので最高の存在です」と言われ、普遍的なハズの聖書は改訂され>>続きを読む
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うーん。よく分からん。ウォンカーワイやチェンカイコーの引用も固定カメラで画を撮れない、小道具を使ったときにそれを撮らない等々で映画としてはハマれず。後半の娘とのやりとりまでギアが上がらなかった。最も影>>続きを読む
誰かが来てはだれもいなくなる境内や家の中。あったものが無くなるか無い筈のものがある、新しいものが好きか古くならないものを求めるか。登場人物がひたすら相対化されながら、血縁により受け継がれた動作が人物を>>続きを読む
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映画とは芸術と科学に、生と死に、過去と現在に、実用性と無用性に、嘘と真実に、家族と孤独に、若しくは複数の宗教に、そしてリュミエール兄弟とエジソンに引き裂かれた存在だという事をなぞるプロット。決定的な瞬>>続きを読む
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男性社会・男性倫理渦巻く社会における行き場のなさ。そもそもアウトローを描いていたアメリカンニューシネマの中での更にアウトローに立たされていた女性を描いた映画。銀行強盗、ロードムービー、バディものと当時>>続きを読む
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プロットはあり得ないことの連続なんだけど、渡来真緒(上野樹里)を太陽の逆行、奥田浩介(松本潤)を夜景の滲んだ光で捉えた対比と景色から消えていく陽光、主題に沿った『エターナル・サンシャイン』の引用ショッ>>続きを読む
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オープニングの絵のショットが横並びに貼られた画面を見て、「ロードムービーだけどどこにも行けない/行き着かないタイプかも」と思っていたらある意味当たっていた。食べたあとのそれぞれの鏡の前のシーンでは接>>続きを読む
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チコの住居はディアーヌとの生活の場になり彼女に明け渡すハメに。そこから見える路上も、日常から兵士の進行、そして終戦で沸き立つ人々に埋め尽くされていく。そして契約に過ぎなかった共同生活は真の関係を築き戦>>続きを読む
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関わった人間の境界線が溶解し、刑事は亡き夫にも同僚にも未亡人にもなる。その未亡人は刑事の妻にもドラマの主人公にも女性刑事なる。会話する主人公二人を鏡の前に向かい合わせ、鏡像の片方と実像の片方にピントを>>続きを読む
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『フラワーズ・オブ・シャンハイ』を想起させる蝋燭の光と停電を用いた光と影の配置が巧みな最初の場面からヤバくて、その後の男女を捉えた二つの長回し(片方は10分以上)ですっかりのめり込んだ。最初の家族の>>続きを読む
世界各地を回る写真家が見た景色を繋ぎ、加工しながら語られる「太日の光もない」世界のドキュメンタリー。80年代初頭の東京行きの新幹線の乗客からはじまる本作で、当時の日本をアニメ、ポルノ、複数の神、ゲーム>>続きを読む
ナレーションで語られる通り、客観的であることは不可能である以上、詩的に繋ぐことでシベリアを語ろうとするドキュメンタリー。ウェス・アンダーソン最新作をすこし思い出す、実写とアニメーション、カメラの横移動>>続きを読む
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あまりにも深いディゾルブが顔と土地に刻まれた時間と歴史を掘り起こす。女性の顔を再度見ることによる死はファムファタールの要素もある、静止画の繋ぎは1秒24コマの映画をミクロに捉えたものと考えることが出来>>続きを読む
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胸を大きく見せるために見ていた鏡に映る体が、自分が操作できないものとして反復される瞬間、「嘘をついて」消防士と名乗り店に出入りした男と同じように親友がピン送りされる瞬間にグッと来た。1963年のフラ>>続きを読む
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映るのはジェイソンと名乗る男のみ。小間使やショービジネスで働いていた男は、タバコ、酒、ドラッグを嗜みながらピントが合う/合わない、画面の寄り/引きの中でカメラに向かって、若しくはカメラの外にある気心知>>続きを読む
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100年前の離島を舞台にし、隔絶した場所故の因果応報と、顔面殴打や指投げ、最愛の人を亡くすことや内戦を告げる砲撃(島で起こることとの繋がり)といったことが2回ずつ起こるプロットは前作『スリービルボ>>続きを読む
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@IMAX3D
同じことを繰り返す事と敵味方が鏡像関係にあることを反復で示すプロットそのものは結構好み。
映像は『エイリアン2』で『アビス』『ターミネーター2』で『タイタニック』でもあって監督の集大>>続きを読む
メチャクチャ面白かった。四銃士がフランスの為に奔走するプロットに拍車をかけるような行ったり来たり、上り下りのアクション。馬乗りと殺陣の群像はたまらない。丁寧に作り込まれたセットと構図の良さ。
アイテム>>続きを読む
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@IMAX
とにかく音楽最高。音楽にのって映像がガンガン繋がっていくのがメチャクチャ気持ちいい。中盤のダンスシーンはハイライト。壁や床を同じリズムで叩いて呼応するのは、これがリズムで繋がるミュージカル>>続きを読む
炭鉱のストライキを取り上げたものながら、性別や人種を超えた一瞬の団結が描かれ興奮。女性監督だからか、女性が非常にイキイキとした姿で映っている。しかし通底するのは終わらない闘争とその犠牲で、歌い継がれる>>続きを読む
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冒頭の鏡とペンを走らせることに表象される同じリズムを刻むことが、徐々に広がっていく。反復すること、あるいは同じ動きをする人達が増えていく…という、それだけの映画でだからこそ痺れた。人物の関係性を示す位>>続きを読む
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冒頭の車が走る所をおさめた空撮によるロングショットと同じ構図で走るパトカー(救急車?)に代わるまで、登場人物たちはひたすらに歩き、それを長回しで捉えていく。室内の明かりを点ける/消すことにより共有と>>続きを読む
作り込まれたセットとそれに合わせて完璧な構図が気持ちいい佳作。前後・横並びの構図による人間関係と金銭問題の配置を明示し、位牌を後ろにむける事に象徴される顔の写しかたによる感情の機微。
前半の地震にあう>>続きを読む
顔のアップ、視線を合わせていく冒頭の人物紹介から「なるほど、なるほどねぇ」「その通り」と徐々にそれぞれの関係性や状況が雨から晴れるように明らかになっていくというだけのプロット。「言葉を反対の意味で受け>>続きを読む
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登場人物達が「見る」もの、視線を合わせるものに突き動かされていくもののそれは欲望故に成就しない。夜空の流れ星は「見えない」。しかし違った形でそれぞれの人物たちは自分の喜びを見つける。それは去り際のキ>>続きを読む
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2022年にスラムダンクを新たに映像化することと正面から向き合い、針に糸を通すようにここしかない地点に辿り着いた奇跡的な作品。ずっと涙目で興奮した。
冒頭の汗、蛇口の水、海といった「水」が導く過>>続きを読む
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冒頭の長回しによる上昇/下降と半円/円、そして燃やされるという行為が一つの呪いとして、クレジットに寸断される次の長回しも、食物連鎖のイメージとその後の倒れては起き上がるの連続。ブーツはどこ?といいなが>>続きを読む
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マーベルは背負っているものが大きすぎるなぁと感じた作品。最後のシュリVSネイモアが陸で戦っていることは、ネイモアが初めて陸に上がり弔おうとしたときの事とつながっていて、人間にもネイモアにもならずブラッ>>続きを読む