このレビューはネタバレを含みます
赤に青が混ざりあい、白に帰っていく。扉の開閉によるサスペンスだけでなく、ピントをぼかされた背景に映る人の往来や咳の音による変調も興味深かった。美術は申し分ないし、脚本におけるキャンセル・カルチャー以降を模したプロットとその結果が尤も複雑な結果をもたらしてしまうという結末とその調整役も裏切られることになるという、誰もが失敗する内容は確かに面白いが、正面からシンメトリックに撮ったカットや横移動を捉えたカット等々、平面性を強調したショットはドラマとして消費されてしまい、それは結局映画的な躍動は消えてしまっている。同一のシーンなり、歩く場面をカメラの位置を変えて繋いでも、人物の関係性や物語とシンクロしてこないので、個人的には終始歯痒かった。