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真実か嘘かの二択ではなく、目の前にあるいちおうは事実と定められた出来事は、解釈とかフィクションを通してしか関われないということに気が付かされる。見えないところを想像し(あるいはでっちあげ)、いかなる真>>続きを読む
ダンスのシーンがとても良かった。ベラの突飛な動きに男が後からついて行って一つのダンスの型に嵌めようとするも、それができない。ついにはギクシャクしたダンスとなって、真面目な男性社会は挫折のコメディに変わ>>続きを読む
ループも怖いけどルーティンも怖い。日々のタスクが無意識に回るようになればそれだけ仕事は捗るのだけど、その分余計な偶然要素は排除しなければならない。他人とか、タスク化できない創作活動とか。朝起きて、夢を>>続きを読む
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マレーのテレビ番組でアーサーは自殺しようとしていた。多分それが「私の死が私の人生よりも硬貨なcents(意味のあるsense)ものになることを願います」というとびきりのジョークになるはずだった。これは>>続きを読む
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政治家の殺害に失敗したので、暴力の矛先を失った。アイリンを救うために斡旋業者を殺しまくるが、結局それは暴力のための暴力でしかない。最後のヒーロー的な祀られ方は、トラヴィスの妄想や願望にも見えるけど?
繰り返しの生活に違いないが、彼には少しずつ違う。もし変わらないなら毎日同じ木を撮る意味がない。「変わらないものがあるなんで馬鹿げている」というのが彼の信条だろう。不変と変化のあいだを生きている。ところ>>続きを読む
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笑いというものが、どれだけ観客の心構えに左右されるかがよく分かる。冷えたオフィスでは無名のコメディアン志望のジョークをまじに面白いと感じることはないが、ある程度あったまった環境を用意されれば(というか>>続きを読む
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エモいというか、こてこてのノスタルジー映画。満たされない現実と楽しかった記憶の狭間で憂鬱に浸り続ける。典型的な「名前をつけて保存」タイプ。
沈黙の誓いを立てる僧侶には喋らんかいと罵倒し、ニューハーフを見ては仰けぞりかえる。そんなところは何のリスペクトもなくタイの文化にズカズカと入っていき喚き散らす迷惑な外国人でしかない。ただやっぱりアラン>>続きを読む
Pince-sans-rireというフランス語の言葉があって、真面目な様子をして皮肉や冗談を言う人のことを指すのだけど、アランはそれに近い。最後の「おれ、バーテンダーになろうと思う」的なセリフ、マジな>>続きを読む
絵本の方は、親のしつけから逃避するマックスが、想像力の中で自らの精神状態を怪物の姿に象徴化していく物語だと思うが、映画も大体の枠組みは踏襲している。抑えられない感情、それによる破壊行為などはそのまま怪>>続きを読む
「チシャ猫のように笑う」とか「帽子屋のように狂って」という慣用句からキャラクターが誕生したという話は有名(ポケモンで言うカモネギみたいな話だ)。そして特に現実を指すでもない言葉の集まり(ダジャレ、慣用>>続きを読む
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プラン75というキャッチーな名前をつけることで、瞬く間に巷に広がっていく。75の数字が強調されるせいで、皆が75歳を一つのラインとして決めつけ、その先は死ぬか生きるかを50/50で決めなければならない>>続きを読む
若干治外法権と化した男子ノリの世界。フランスのお笑い芸人の言葉で、人間何でも笑い飛ばすことはできるが誰とでもそれを共有できるわけではない、という旨の言葉を思い出す。だから内輪ノリはあくまで内輪でしかな>>続きを読む
冒頭シーンでは、ナット締めの動きに取り憑かれたチャップリンが人間性を失い、文字通り機械・産業の歯車の一部になってしまう。悲劇的な面とそれに伴う批判性があまり明快すぎて、正直笑うことはできないかな。好き>>続きを読む
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2020の最後で再会なるのか、、みたいなところは宙吊りにしてずーっと遡っていく、あああれがある意味オープンエンドになるのかなと思っていたら、結婚して子供いました、ちょっと思い出しただけでした、バイバイ>>続きを読む
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図書館の窓ガラスに数式を書いて過ごすことは、確かに一般的な図書館の利用ではないかもしれないが、そのような人物の居場所を大学がきちん用意することはとても重要なことだと思う。
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中途失聴者や聾者のコミュニティで生きる人たちは、聞こえないことを欠点と見なさない(そして聴者もそれを理解すべきだが)。主人公が依然として聴者であることに価値を見るなら、コミュニティで暮らしていくのは難>>続きを読む
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怒号(トレーナーの叱咤)と轟音(電車)に惑わされず自分の居場所を持っているケイコが眩しい。この映画では、雑音が強調されながらもケイコに無視されることで、そもそも聴者と聾者とでは、生きている世界が全く異>>続きを読む