肌身離さず持ち歩いているスケボーが画面に貢献してこないのは勿体無いけど、ブノワ・マジメルのちょっとした所作の積み重ねで不器用さを示唆する手捌きはなかなか。『人生、区切りの旅』を想起
当たり前の日常がある日突然手からするりと抜け落ちていく恐怖。ディスコミュニケーションを克服し居場所が用意されようとも、以前の生活様式を渇望してしまうごくごく正常な反応が理解できるからこそ苦しい。
これ>>続きを読む
想像以上に隅々まで蔓延っている貧困。10年以上経った現況が気になるところ。
シンナー吸ってラリっちゃってる子も居る中で、しっかり未来を見据えてる子なんかも居たりする。物が溢れかえった中で不自由なく暮ら>>続きを読む
時折現れる幻想女性とのファンタジー、少年達がバイクにまたがり、銃・刃物・火炎瓶を手にする事のサスペンス性が最後の最後に結合。こんなに打ちのめされるなんて想像もしてなかった。コルクボード(?)に貼られた>>続きを読む
ボワロー=ナルスジャックもの。夜の街でリノ・ヴァンチュラが殺害対象者を延々追跡する起伏の無い話だが、各人がフェードアウトしていくシーンのインパクトはなかなか強烈。
憐憫の情を寄せ付けないラストを観て『>>続きを読む
随分と先鋭的な恋愛模様を下地にする事で、人種や政治問題といった領域が抱える不自由・不調和を顕在化。
機知と哀愁が共存するフリアーズの手堅いアプローチはこの頃から確立されているってのがよく分かる
狭小空間に配置された名優三人を介して、1930年代の大恐慌下で機能不全に陥る家族の実像へと肉薄。シュレンドルフ版『セールスマンの死』では父と、本作では母との断絶に苦しむマルコヴィッチが相変わらず素晴ら>>続きを読む
ゴヤ賞19部門ノミネート8部門受賞の謳い文句に釣られて鑑賞。
任務そっちのけで恋にかまけて自滅する男。ポリティカル色を濃くしていればもう少し刹那的に描けていたんじゃ…。
ヤク中のハビエル・バルデムは>>続きを読む
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』よろしくエロス・タナトスが同居した酒場の終末空気と大迫氏カムバックに狂喜乱舞。誰一人としてまともな人間が出てこないってのに、最後の最後に吹き抜けていく空気の清々しさ
絵を描く行為における見る/見られるといった視線の機械的な交錯は、いつしか愛情を内包したそれへと変容。記憶装置という役割も兼ね、スクリーンという名のキャンバスにその時間にしか存在し得ない永遠を刻んでみせ>>続きを読む
不安定な街の隙間で、人生に対する指針も見出せず、理不尽な事ばかりだけれど、もがいた分だけ救われる事がある。
ラピュタで喧嘩をおっ始める女劇団員2人…胸熱…
地方の高3あるある。やる事がなさすぎてヤる事しかない閉塞の地。此処に自分に未来はあるのか。でもね、大した目標も無しに都市部に新天地を求めたところで…って話で、結局環境云々の問題じゃなかったりするんです>>続きを読む
永遠という言葉が決してこの二人から想像できないからこそ、ある程度終着点が予想できてしまうからこその、痛みと悦び。まさに閃光。
この余白は好み。一切説明してくれなくて本当に良かった
いろいろ残念な感じの主人公に櫻井保幸がハマり役で良かったけど、期待とは別方向に物語が進んでしまって乗れず
思いの外良かった。
スプリット画面上(ビデオ通話)で明暗わかれる現況に対するメンタルの柔軟性、階上のカップルの喘ぎ声を聞いて「あ~SEXしてぇ~」と独りで氷結をグビグビいき始める階下の女、こういった二>>続きを読む
劇中の松浦祐也の台詞「まあそうなるわな笑」が全編に渡り反響しまくる。
手放せない点鼻薬、果物を切る包丁の危うさ、難すぎるスマホロック解除、腹に書かれたメッセージ、等といったディテール描写が結構ツボった>>続きを読む
じいじの誕生日に一同集う娘とその家族らのアンサンブルドラマ。被写体を子供だけに限定したシークエンスもあれば、大人たちが各々の時間を取り戻すそれも存在するフレキシブルな構成。それを表情豊かな青と緑に囲ま>>続きを読む
フォトジェニックなショットの釣瓶打ち。特段なにが起こるわけでもないけど、タヴェルニエ『田舎の日曜日』を観てるみたいに心が保湿される
カーペンターのTVM。己の軽率な行動が危険を呼び込み続けるので滑稽さが恐怖を上回る。でもそうでもしないとこの作品は成立しないし…困ったもんです…
タランティーノ絶賛。金なくてもこんなに怖い画が撮れるんだという好例。
オーバーアクト気味で喚いてた主人公が最後の最後で全く喋らなくなるのが地味に怖い
みんなギラついててたまんない。
虚実のボーダーを跨いだままぶっちぎる終盤のカロリー消費量。自身らが傑作と信じてやまないその産物が幻と化す儚さ。決して結実は見せないのにこの清々しさたるや。
追悼特集 >>続きを読む
大耳のとっつぁんがいいやつ過ぎてもう…(泣)
追悼特集 森崎東党宣言!@シネマヴェーラ
オズペテクのアイデンティティが色濃く投影された記念碑的な源流作品。二人がそれぞれ愛した人物の突然の喪失によって今まで接近する事すらなかった世界が接続。さあ鍵を与えよう。扉は常に解放されている
河合優実とかいう天使。バッセンが最後の最後まで彼らの聖地として物語に貢献してんの泣ける
他グループとの共闘、サイレンサー付き銃器での襲撃、『Assault On Precinct 13』に寄せたスコアあたりで確信に至るカーペンター『要塞警察』への目配せに歓喜。村人パコッチがL・フィッシュ>>続きを読む
寺山修司がたいそう気に入ってたらしいって事で鑑賞。
徹底した大人vs子供の構図。記号的な相関のレイヤーを実直に重ねていく事で、当時の日本社会が抱えていた未来無き淀んだ空気への絶望と怒りが顕現する
ディストピアからユートピアへ。
かつて奴隷貿易や植民地化の地であり、帝国主義の主原料となっていたハバナを縮図として炙り出される国民感情のうねり。
驚くほどの近代史知識を有した子供たちが時に語り部となっ>>続きを読む
ソルディーニのベスト。こういった毛色の作品でこそ才を発揮する人じゃないだろうか。三者に通低する現代社会での生きづらさというシリアスな副主題をこうも軽妙に綴れちゃうだなんて!イタリアが輩出した偉人銅像の>>続きを読む
社会の新陳代謝から弾き出された事が引き金となり家庭不和が生じ始める暗澹たる展開。ケン・ローチ作品との親和性。
やっぱり世の中金って事で、今のコロナ禍における社会変容と紐付けて観るとなかなかノーダメージ>>続きを読む
終戦と同時にこの世に生を享けた罪なき少女の心と体の悲鳴。虚勢をはれども精神はどんどん摩耗していく。そんな彼女の私生活に横たわる文化・芸術的洗練との対比がなかなか残酷。
若松監督らしい反戦への咆哮。だか>>続きを読む
スクリーンから滾り溢れる、得も言われぬ謎のバイタリティーに圧倒されっぱなし。そこに息づく悲喜交々を丹念にスケッチする森崎節も健在。もう楽しいったらありゃしない
追悼特集 森崎東党宣言!@シネマヴェー>>続きを読む
親子間によるコミュニケーションの齟齬なんてのも読み取れなくもないが、実際のところ両者にとって付かず離れずのこういった関係が一番均衡がとれているんだと思う。嫉妬・憧憬・煩悶の情を僅か20分の作品に混在さ>>続きを読む
日常の細かな断片の構築によってユーモアとペーソスが互いを排除することなく共存。時に自虐的にすら映る佇まいに映像作家としての信念と覚悟を見る。
「消えゆくもの」と同時に「決して消えないもの」がここには在>>続きを読む