MovieKさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)

4.3

ポツダム宣言受諾をめぐる表と裏が重厚に描かれる大作なんだけど、なよっとした侍従達など随所に肩の力を抜けるシーンもあって全く長さを感じない「長い日」となっている。
主要な役者は全員が圧巻で、本木雅弘のプ
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.8

設定の面白さだけで観たくなった作品で、後の史実を踏まえると、なるほど面白いストーリーだなと思うところと、そんなわけないでしょと思うところが適度に入り混じっていて良い。
舘ひろしの落ち着いた雰囲気が強者
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呪詛(2022年製作の映画)

4.0

迷惑系youtuberの本格派という感じで、異教・邪神信仰のゾクゾクする雰囲気とストーリー全体の不快感がよい。これが合わないと、終始イライラして終わる。
時系列はバラバラなのも効いてるけど、慣れるまで
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パブリック 図書館の奇跡(2018年製作の映画)

3.6

凍える寒さのオハイオの図書館で、行き場の無いホームレスの受け入れを巡って籠城する話。是非を突きつける社会派映画というよりは、あくまで映画としての作りなのでドキュメンタリー的ではない。
作中でもすぐに触
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グレイマン(2022年製作の映画)

3.7

基本的にはよくあるインターナショナルスパイアクションなんだけど、音楽や題字の使い方などが上手でお洒落なアクションとして楽しい。
寡黙で超有能なエージェントが(マンガなみの防御力で)無双するのは、無理を
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漁村の片隅で(2020年製作の映画)

3.8

カメルーンの漁村で、女性への教育を悪と捉える父親の目を盗んで学校の授業を覗いて云々な話。
割と胸糞なんだけど、父親がなぜ教育を嫌うようになったかの描き方が雑なので、ちょっと同情するような作りなのがやや
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ジョー・ブラックをよろしく(1998年製作の映画)

4.2

邦題の秀逸さで印象に残りながらも中々観れてなかった名作。長尺を感じさせない美しい映画。というか、クレア・フォーラニが終始美しい。
しかし、こんだけ物を知らないと、死神ってどこで何をする仕事なんだ?と思
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ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

3.9

スクールカーストにダイバーシティの要素を突っ込んでハイテンポでぐるぐる回した奇作で、一時期大きな話題を呼んで熱烈なファンが出たのも納得。ノア・ガルヴィン良かった。
それにしても、全く俳優陣の予備知識無
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ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード(2021年製作の映画)

3.3

前作同様に綺麗なヨーロッパの街並みの雰囲気を見ながらのカーチェイスなどは美しいのだけど、掛け合いの面白さや緩急が弱くてややトーンダウン。
中身は特に無いはずなのになぜ今の状態になっているのかがよく分か
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ムーンフォール(2021年製作の映画)

4.0

S F映画のサラダボウル状態で、どれも観たことあるような展開で全く混ざり合わないまま高速で走り抜けていく。
これにリアリティとかツッコミどころとか言いながら観る方が間違っていて、この大味で厨二病的なワ
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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.9

セピア色で息苦しい雰囲気が続き、栄枯盛衰のどんなときでも全然ハッピーな雰囲気がない。衣装はよい。開戦前夜の設定はほとんどストーリーには関係無いんだけど、この重たい感じを後押しするのに効いている。
今回
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.6

実社会の皮肉も詰めつつユーモラスなのだけど、設定の面白さがほとんど生きておらず、特に後半はどうしてこうなった。
最後は色々な解釈ができるのはモヤモヤでもあり深みであり、作風を象徴しているような印象。
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.8

展開の読めない淡々とした重苦しい雰囲気に、BGMで流れ続ける不協和音が不安感を増長する。
神話をベースにしたプロットのようだけど、役者の力でより奇怪な雰囲気が出ていてよい。
こういう映画だと、つい「鹿
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.2

初代をそれほど深く観てなかったのであまり思い入れ無かったのだけど、評判がよいので劇場へ。
前半のパートは思い出&世界観浸透フェーズなので個人的には少し退屈な感じすらしたけど、マーヴェリックの本領発揮か
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SNS-少女たちの10日間-(2020年製作の映画)

3.5

SNSでのとびきりキモいおっさん達の言動から、性犯罪の危険を調べる研究ドキュメンタリーなんだけど、幼い顔の女性を役者として選定したとはいえ、12歳設定は無理がありすぎて本当にフィクションなのか怪しい…>>続きを読む

ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.1

ジェントルメンかどうかは別として、マフィア映画とは少し違ったおもしろサスペンス味がよい。
最初は語りの時系列などが不思議な感じしたけど、その辺りの展開も含めてよい。
ヒュー・グラントはこういう有能&う
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ノイズ(2022年製作の映画)

3.4

設定などは良いんだけど、何から何まで期待を裏切らないのが残念。原因は、映像で匂わせすぎていて、全然意外性がない。色々と起承転結があるんどけど、そうでしょうね、という感じ。
キャストの無駄遣いと、急なギ
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さがす(2022年製作の映画)

4.3

時系列を巧みに使って、気を衒わない形で物語の裏側を立体的に魅せる正統派サスペンス感がよい。
伏線とは言わないまでも、小道具の使い方や人物の重ね方などが綺麗で、この手の雰囲気が好きなことも相まって、良い
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アンテベラム(2020年製作の映画)

4.3

違和感をあえて残しながら、見事な話の大転換が心地良い。少しもネタバレせずに観るべき。
思い起こせば…という伏線回収も面白いし、細かな演出も上手い。これだけたっぷり社会的なメッセージが濃いのにエンターテ
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ナイン・デイズ(2020年製作の映画)

3.2

面白い設定と、不思議な雰囲気が心地よいのだけど、あまり抑揚が無く淡々とした印象もある。
ここは盛り上がるかな、と思って高まったところで落ち着いていくので少しもやもや。
つまらない、という意味ではなく、
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31年目の夫婦げんか(2012年製作の映画)

3.8

完全に役者で選んだ映画。でも、期待通りの展開と演技で楽しめた。もどかしい感じの絶妙な表情や言葉がよい。
ただ、年齢設定が少し違和感があり、もうちょい若い方がリアリティー強めだったと思う。
メーン州でロ
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

4.1

ウルトラマンは全く観たことないので名詞を断片的に聞いたことある、という程度だったけど、問題なく楽しめる。超常世界の論理みたいなものが、視点の高さを感じて面白かった。
シンゴジラがハマった人なら本作も楽
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.1

こういう形でソーホーのショービジネスの実態を描くのはとても面白い。ちょっと中途半端にホラー感出しすぎて笑けてしまうのは残念。。
個人的にはエロイーズの言動(というか設定)が好きじゃないタイプだったので
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.8

オリエント急行に比べるとちょっとテンポが悪い感じもするけど、後半の変調してからはポアロ無双がよい。
割とヒントも多く、結論はあんまり意外性もなく、ちょっと無理もある感じ。
トリックそのものはナイル川で
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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

4.2

これぞアベンジャーズシリーズの真骨頂とも言えるようなごちゃ混ぜ感が熱い。ヒーロー同士の公式ぶつかり合いが観られるのはここだけ!
なお、ストーリーは色々と無理があって納得感は無い。狙いが回りくどすぎるし
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アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015年製作の映画)

3.6

正統派の人からしたら許し難いかもしれないけど、アベンジャーズからの直接ウルトロン。
今回は家庭や恋愛など「人間」的な要素が強く、そういうの良いからただ派手にやれ!という見方をしてるひどい立場からすると
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アベンジャーズ(2012年製作の映画)

3.7

今さらながらアベンジャーズシリーズに参戦。
CGは割と10年前という古さを感じさせないけど、異世界の人達の衣装がセット感ありすぎて日曜朝の子供向け特撮っぽい…
この手のにありがちだけど、能力の強弱が時
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

3.7

冒頭から、クライムコメディ感ありつつハートフルになりそう感もあり、中印をまたがる異文化合流感もよい。これは実話ベースなので趣旨違うけど、中国や韓国の映画は冴えない親父が成り上がる話好きだよね。
面白い
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最高の人生の見つけ方(2019年製作の映画)

3.0

どちらにも感情移入しにくく、イイハナシダナーとはなりきれない…
原作はジャックニコルソンとモーガンフリーマンというちょいワルなオヤジたちが好き勝手するのがコメディ&ハートフルで良かったのに、吉永小百合
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

3.3

役者陣は決して嫌いじゃないんだけど、この手の作品は全体的に若すぎると重みが無いのと、ベテラン俳優を捨て駒みたいに使うのが逆に工夫の無さに見えて残念。前作の大上と比べて日岡が警察であることの意味みたいな>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

3.5

設定ゆるゆるのクライムコメディ。それはないでしょ、という展開もコメディと割り切って観ることが必要。
アクションは多いし、小道具もイケてるんだけど、なんとなく中だるみする。最後の展開はそこそこ良かった。
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ヒットマンズ・ボディガード(2017年製作の映画)

3.8

裏をかいたり深い展開はなく、ひたすら陽気なアクションコメディ。アムステルダムでの逃亡戦は、街並みの美しさと相まって疾走感が良かった。
全体的に音楽がカッコイイし、アクションは熱い。基本的にテンポも良い
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ホース・ガール(2020年製作の映画)

3.6

一応ネタバレを避けるけど、どう解釈するか、ということはほとんど無いと思う。どこまでが現実か、みたいな考察は楽しい。
この手のテーマの作品は多いけど、周りにウザがられる、という視点のおかげで、こういうの
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ウィークエンド・アウェイ(2022年製作の映画)

3.7

異国の地でラリってる間に失踪した友人を探すストーリーで、話が二転三転するのが見どころ。
ただ、展開をひっくり返すのが目的化してしまって、色々と不自然な曖昧さのまま話が進んでしまうのでスッキリ感はあまり
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コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

4.3

アクションシーンでの独特のカメラワーク、全編通じて印象的なBGM、緩急のあるコメディ、テンポの良い展開がそれぞれ心地良いスパイ映画。
アーミー・ハマーはこの手の「強いし頭も良いけど何か不器用でダメ男」
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犯人に告ぐ(2007年製作の映画)

3.8

複数の事件が交錯する感じが面白く、警察内部の動きやメディアの活用など、事件の進展が遅すぎる割には展開がダラダラしてなくて見やすい。
しかしツッコミどころも多く、なんで?と思う部分は多いのと、そこまで古
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