千利休さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

カモン カモン(2021年製作の映画)

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言葉に依る救済はどうも説教臭さから逃れられないが、この作品もそう。ドビュッシー2回流しちゃうとことかも。それはいいとして、このモノクロは好きじゃない。そのせいか町が全く活き活きとしていなくて残念。兎に>>続きを読む

ノロワ(1976年製作の映画)

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「太陽を与えよう!」のシーンのダンジョン深奥部らしさが最高。ただ全体としてはやはり面白いとは思えない、これは自分とリヴェット作品の相性の悪さ。説明の足りないRPGを傍観することに耐えられず。半世紀前の>>続きを読む

デュエル(1976年製作の映画)

4.0

突然インサートされる町の夜景にハッとした。鏡の割れる瞬間の戦慄。多分リヴェットのやりたいことは好みじゃないが、この濃密な画面の連続だけで大満足。

真昼の不思議な物体(2000年製作の映画)

4.2

まず試みが面白い。とはいえ言われなければ気づきにくいとは思うが。それにしても東南アジアはカラーのほうが映える。だからこそ普通ならロケ地の力で話を保たせるだろうところを、モノクロの選択により強制的に撮影>>続きを読む

暗戦 デッドエンド(1999年製作の映画)

4.5

ヨーヨー・モンが画になりすぎ。色々とツッコミどころはあるし死の緊張感は全くないが、徹底的に"お約束"が守られていることによる満足感。小道具の活かしかたが巧い。オチも好き。

ブルジョワジーの秘かな愉しみ(1972年製作の映画)

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夢ってことでなんでも出来ちゃうのズルいな。中南米の気候が溶け込んだ夜の闇、青いライトの滲む冒頭がやけに記憶に残っている。

欲望のあいまいな対象(1977年製作の映画)

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何も言われなければ二人一役って気付かないでしょこれ...。実にブニュエルらしい遺作。

おかえり(1996年製作の映画)

4.0

上手い気もするし上手くない気もするが、とにかく96年にこれは早いと思う。この頃はまだ東京が映える。他の同時期のカサヴェテスフォロワー作品と違って良くも悪くも映画的真面目さが効いていて、それゆえにほぼ同>>続きを読む

ジェラシー(2013年製作の映画)

4.2

やたらに楽天的な劇伴は音と画の対位法だろうか。硬めな画がブレッソンぽい。そして相変わらずフィリップ・ガレルの横移動とパンは魅力的。

アウステルリッツ(2016年製作の映画)

4.2

作品全体として良かったが、このモノクロは嘘っぽくて好きになれなかった。構図も音も、そして幽霊としてのカメラ(だと自分は思っている)も魅力的だったが、これを映画と呼ぶのはちょっとズルいと思ってしまう自分>>続きを読む

夜と霧(1955年製作の映画)

4.5

今更観たが素晴らしかった。実は『SELF AND OTHERS』に近いのではないかと思った。ただし、向けられないものに眼差しを向けることはせず、ドキュメンタリーとして適切な距離感が保たれている。凄惨な>>続きを読む

粛清裁判(2018年製作の映画)

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とにかく鑑賞者を傍観者にしかしてくれないが、その投げやりぶりはいかに鑑賞者が無関心であるかを暴き出す装置として機能している。現代に何故こんな映画を撮っているかは納得できるものだし、映画史の文脈にも刻ま>>続きを読む

パリ、恋人たちの影(2015年製作の映画)

4.0

『クライ・マッチョ』かってぐらい淡々としてて良かった。相変わらずお家芸をやっているわけだけど、女性への畏怖が全面に出てるあたりがロメールとは違う。これはこれで面白いのだけれども。マチズモなのに主人公の>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

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まぁこうするのが安パイよねとは思うが、映画的な見せ場はない。ただ演者がめちゃくちゃいいから画はもつ。ポール・ダノは神。『テネット』を観て以来思っていることとして、この手の映画はもはや映画でいることがで>>続きを読む

ジョン・カーペンターの 要塞警察(1976年製作の映画)

4.1

主要キャラも容赦なく殺されていくのが最高。とにかく被弾率が高い。

ダーク・スター(1974年製作の映画)

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カーペンター自身は「宇宙のゴドーを待ちながら」と言ってこの作品を売って回ってたらしい。地球外生命体がかわいい。

仕組まれた罠(1954年製作の映画)

4.1

安定の面白さ。これまた光と影の使い方が巧い。

復讐鬼(1950年製作の映画)

4.3

マンキウィッツ作品は小ネタ一つ一つの活かし方とシリアスさの創出が巧い。人種問題とリンクした証明の活用も○

ルナ・パパ(1999年製作の映画)

4.2

とにかく移動のショットが魅力的。クストリッツァ作品のごとく多動なのにゆったりとした雰囲気を醸し出せている所以はなんだろうか。多幸感溢れるラスト、愛くるしすぎるヒロインが魅力的。

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.3

もちろん好きだが、アピチャッポンならこのテーマ・手法でもっとヤバい作品が作れると思う。てことで次回作にさらなる期待。ベタなSF要素が活きていて良かった。物体の動きがないイジワルな(超)長回しも多かった>>続きを読む

長距離ランナーの孤独(1962年製作の映画)

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ベタに走っている場面が一番いいから、それこそ尺のほとんどを走ってるくらいでもよかった。回想のモンタージュとかもっと工夫できたと思う。

ザ・フォッグ(1980年製作の映画)

4.2

芸術映画としては一番だが、話がぱっとしないのが難点。長い階段を見下ろすショットが最高。

ホワイト・ドッグ(1981年製作の映画)

4.1

なかなかに業の深い話だ...。米では上映禁止らしい。

センチュリアン(1972年製作の映画)

4.0

劇伴がクインシー・ジョーンズ。時代がだからかもしれないが、神代っぽい気がする。フライシャー車撮るの巧すぎ!

ベニーズ・ビデオ(1992年製作の映画)

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いかにも90年代らしい。冷徹なグランジとでもいえようか。