TagoMagoさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.6

人間を自然界と対比させて扱う、こんなにクールな監督ほんまおらんです。人が悩み困惑する有様を丁寧に掬い取りながら、自然の中におけるその他愛もなさを示す。

ましてや、社会の中に課題を感じていても、それに
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

-

途中、警察がテルマの電話に罠を仕掛けるようクソ夫に持ちかけるとき「女はほだされる」って口を滑らせて気まずい空気になる。

社会通念的にアウトだと認識してても、潜在的には蔑視してるから口から溢れる言葉。
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FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー(2019年製作の映画)

4.6

現代ホラー。どの角度から見ても背筋の凍るゾワっと感があって居心地悪いし気味が悪い。企業で働く者として、クラブやフェスに遊びに行く者として、想像に満ちた勢いのある何かがあるSNSの世界に嫌気がさす者とし>>続きを読む

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

4.5

知らん街を通って退屈の香りを嗅いだ時、人生そのものの気配に魅了される。生きる意味なんて本質的に持たない僕らにとって退屈こそ人生そのもの。

余計な情報や喧騒が多すぎて退屈でいることも難しくなってきてる
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危険なメソッド(2011年製作の映画)

4.3

ザビーナとの情事を通じて、自分という未知の海を開いていくユング。自己解放が進むにつれ海が開ける様が素晴らしくて、安心してこの物語に身を委ねていられる。
科学に忠実にいることを目指したフロイトは徐々に深
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明日の食卓(2021年製作の映画)

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どこにでもある辛さ、の体にしてる割にはこの話は夫のダメさ加減マシマシの特殊店のような気が。高畑家はノイズ少な目で良かった。

あと鑑賞中、ある人物が子供に対して離婚することに強い引け目を感じてて、その
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.4

このエンディングはちょっと素晴らしいんじゃないでしょうか。

怖いということを表現するのを恐れるようになるのは、ヤワなものでは怖がらない自分に固執するから。認知症になって特に認知するものは決まって自分
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.8

粗暴な母が「辛い」は出さず、怒を中心にした喜怒哀楽の怒楽(喜哀みたいな中間の立ち振る舞いなし!)を出すシーンの連続。その横で、ずっと並行しているはずの「哀」または「辛」だけど、彼女が感じてるはずのそれ>>続きを読む

親密さ(2012年製作の映画)

4.5

皮膚で隔てられた他人のあの人と魂で交わりたい、という願い。どうしたって完全に叶うことはないその願い。

それに向き合うことはかくも辛く面倒なこと。
陸橋の向こうの電車に手を振るくらい滑稽でもある。
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とてつもなく大きな(2019年製作の映画)

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この方の作品は具体的な物語に落とし込める気がする。と感じたのは衝動を受け取れたからなのかどうなのか。なんか知らんけど上映中めっちゃレモンティー飲みたくなった。

万歳!ここは愛の道(2019年製作の映画)

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自分の人生や恋愛を使って二次創作してる感じの。整理や抽象化された作品ではなくて、二次創作の対象にしようと思える自意識の強さに唖然とするけど、実際それをやり切る熱量とこうして人に見続けてもらう芯の強さた>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

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要素もりこみまくりの話のピントボケまくりのご都合付けまくり。個々の要素が薄過ぎて、暴対法のWikipedia見りゃそれで済むんじゃないかぐらい。そのくらい受け取れたものが情報だけだった。この物語と物語>>続きを読む

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.3

外面だけ折り合いをつけてた男の去り際。

救いの少ない話なんだけど、そんなに口当たり悪くないのは負け慣れちゃった瓜ちゃんが謙虚さや卑屈さを初めからまとってるから。そのくせ才能の無さを振り切れてはいない
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SLEEP マックス・リヒターからの招待状(2019年製作の映画)

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睡眠なんて酷く日常的だけども、間違いなく破壊と再生を司る。ちゃんと上質なうたた寝感覚味わえた、

レイジング・ブル(1980年製作の映画)

4.7

見てて具合が悪くなるほどの本能的動機。

他人を信用できず、ジャイアンメソッドだけ繰り返すラモッタの、物事がまともに見えてない惨めさを憐むことは簡単。

でも逆に、社会通念やら同調圧力やら煩い広告やら
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スタイルウォーズ(1983年製作の映画)

4.6

承認欲求はダサいものとか未熟なものとされてて、俺自身そう感じてきたけど、承認欲求それ自体はむしろ清々しいものなのだな。ダサいと感じるのは、主張せずして承認欲求だけ持っているからか。

最貧困の街に生き
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どついたるねん(1989年製作の映画)

4.5

マズローの5大欲求が言うところによると、人は自己実現を承認欲求が満たされた次のステップで求めるものらしい。よくわからんけどそれって本当なんか。

自己実現は理屈では言い表せないところで、だけど明確に、
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.9

兎の跳ぶ海に出て、戦地に関わる人から順に戦争を知り、帰る頃にはすっかり別人の目つきになる。次第に、草を摘んでいた呉の生活にも狂った雲と戦地がやってきて、訳もわからないまま爆風に飲み込まれる。

暑い夏
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