ガさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

Dolls ドールズ(2002年製作の映画)

3.6

絵の持つ力を信じてる。
極言すれば台詞なんてなくても人の心は動かせるのか…
ただそんな中でもおれが震えたのは、
「見えない方がいいかなと思って」
ていう台詞だった。

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)

3.9

壮年の抽象的で具体的な不安と諦念。
不倫、親の病気と介護、子育て、将来への心配なんてありふれた出来事がやっぱり1人の人間からすると一つ一つがとても重い。

それを冷静に見つめるレアセドゥの眼差しが印象
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ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.3

なんちゅう愛の形や…
愛情が届かなくても、もっと深くて鋭い憎しみなら届く。
相手を破壊することでしか到達しないラブストーリー。
つまり映画的類型も破壊した。

こんなに難解な人間性を持つ芸術家を生み出
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ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

-

アバンギャルドなセットと衣装で表すメタ構造。
あの人物がいた階層はどこなのか。
これは原作の戯曲を知らないと理解できないやつか?

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007年製作の映画)

4.1

人生の意義なんて大したことない。
資本主義的な成功も富も、信仰も、家族愛もある種滑稽に描かれ続ける。
そんな人生観なのになんでPTAは映画を撮るのか。
それって多分その過程の瞬間瞬間に訪れる人の揺れみ
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(1963年製作の映画)

3.6

アイデアを映像で見せる技術。
合成は合成だけど、リアルに鳥配置してるシーンはどうやって撮ってんだろう…

そして、答え合わせしてなくてあそこで終わっても映画なんですね。
発見。

レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.7

このしょうもないクズさ加減よ。
高尚な考えとか一つもない終わってるおっさんが、終わったまま終わるリアリティ。
にもかかわらず、あのラストシーンはなんなんだ笑

恐怖分子(1986年製作の映画)

3.6

みんな必要なものは持っているのに満たされない。
そもそも人生の意義とか命の重みなんて、存在しないんじゃないかと思わせる。
また出た諸行無常のお話。

でも、大丈夫だ。
ってなんか思った。

お引越し(1993年製作の映画)

4.3

本当に悲しい時、子供は声にせず泣く。
そして、子供の孤独は普段の何気ない生活にも息づいている。
そんな事を解らせてくれた映画だった。

ラストシークエンスの「ありがとう」は、子供である自分との決別だっ
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聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.3

これといった発見や感慨はなかった。
サスペンスとしてもドラマとしても。

信仰心と欲望を混ぜこぜにする主人公の存在が不用意な感じがする。

登場人物の仕草や表情の説得力は良かった。

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.2

人間は(神にだって)、他者を救うことなんてできない。
リグの言葉は正しい。
でも、信頼して自己を委ねることはできる。
チャーリーは娘の全てを信頼していたし、娘もその信頼に応えた。

確かに彼はだらしな
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さようなら(2015年製作の映画)

3.5

実験的で、情緒にふらないというリアルなようで少し歪な世界感。

アンドロイドの存在が、歪さの中心なのにそれがうまくハマってなかったような…
芝居としても、物語内の時勢としても。

砂の女(1964年製作の映画)

4.0

1/8mmの流動。
原作読了後、即鑑賞。
この砂の牢獄が何のメタファーかって、人間世界だよね。
男が、閉じ込められた場所とそこから抜け出して戻りたいと求めた場所は同一だった。
あの空間に何もないように
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JOINT(2020年製作の映画)

3.8

リアルなんだろうな〜。
ヤクザ映画ってフィクションにしか感じなかったけど(多分時代性も相まって)、知る由もない裏社会ってやつが巧みに展開してんだろう。
表とも絶妙に絡まりながら。
この狂騒はずっと観て
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けんかえれじい(1966年製作の映画)

3.7

男にはタマ賭けないかんときがある!!
はたから見たらどんだけアホらしくても、やるんだよ。

徐々に勇ましくなっていくキロクかっけぇ!
こいつに正しさを求めることなんておこがましい。

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.0

マイケルジョーダンとナイキとベンアフレックとマットデイモンなんて、自分と親和性ありすぎてどうかなって思ってたけど、
やっぱりアツくなった。

あのプレゼンで、マットデイモンに見えてた未来はおれらにとっ
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パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.8

物事に理屈か納得感を求めるタイプで、
この人格と不条理のバグが突飛すぎて乗れないと思いきや、
パワフルなストーリーで全てをまとめ上げる力量はえぐい。

ブギーナイツ(1997年製作の映画)

3.7

楽しい映画だ〜。
波瀾万丈な人生を積み重ねることで、世界のカオスっぷりを観せつけられる。

アメリカンドリームのスターの盛衰ってよくあるけど、なんか飽きないな。
ド派手なパーティーとドラッグと暴力。最
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.3

オリジナルよりスリムで話の通りもいいんだけど、そのせいなのかなぜか退屈だった。
オリジナルとの相違点というか、リメイクした意味をあまり感じなかった。
キャラクターなのかな。

志村喬の芝居がやっぱり凄
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ハードエイト(1996年製作の映画)

3.7

ただただイカす紳士を観たよ。
はっきりとしたストーリーラインで、PTA的奥行きはまだ垣間見えなかったけど、格好良いに尽きる。

ミルク(2008年製作の映画)

3.7

社会の改革と1人の男の変容。
確かにその出来事は絶大な影響だったんだろうけど、この人個人にとってどうだったのか。
清廉潔白な心が少しずつ計算ずくで汚いものに染まっていく。
正義のため、弱者のためって言
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.7

判断しにいくところはあるけど、血の匂いがした。
ドキュメントを先に観たのもあるが…

アクションシーンの実写がほぼヨリだったね。

仮面ライダー未見だったこともあって、ワードについて行くの大変だったけ
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ラストデイズ(2005年製作の映画)

-

解らない。
多分、この主人公も解ってないんじゃないか。

時間軸を入れ替える意図も主人公の混乱を表してる気がした。

シンプル・シモン(2010年製作の映画)

3.6

実は兄貴が1番変わり者だったりする。

そこで終わるのずるいな〜。
リアルな問題のはずがファンタジーな結末で終えてしまった。

ザ・マスター(2012年製作の映画)

4.5

PTAの才能が溢れてる。
宗教なんて側からみたら分からないし、ある種滑稽なものだけど、
その分からなさを遺憾無く見せることでむしろ二元論的な脳の処理じゃなく肌で分からせる。
2人に育まれた友情も論理で
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インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

4.1

まじで諸行無常。
金も権力も政治思想も正義も悪も友情も復讐もそして女も、大切なものなんて何一つない。
そんなものへの執着がすごく滑稽に見えた。
そう頑なにならず、ドラッグでも決めて身軽に生きようぜって
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