ダイゴロウさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

3.5

配信がなさそうなのでDVDにて鑑賞。

ソ連の戦艦ポチョムキンの反乱を題材にした作品。
「映画史上最も有名な6分間」と言われるオデッサの階段でのシーンの緊迫感は本物。
ただ、実際にはオデッサの階段での
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椿三十郎(1962年製作の映画)

4.3

「用心棒」の前に観てしまった…。

名優三船敏郎と仲代達矢の迫力!

話はシンプルだけどテンポがよく、娯楽作品として完成している。

早春(1970年製作の映画)

3.2

配信がなさそうなのでDVDにて鑑賞。

青春映画の傑作らしい…が、正直「青春」は全く感じなかった…。

「トラヴィス(タクシードライバー)」に通ずるような主人公の危うい行動や言動にひたすらやきもき。
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鬼婆(1964年製作の映画)

4.3

配信がなさそうなのでDVDにて鑑賞。

ホラー映画好きの方には、心からお勧めしたい大傑作。(「急に驚かせる系」でもないので、恐すぎるのが苦手な方でも難なく観れる点も勧めやすい。)

そもそも60年代の
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宮本武蔵 一乗寺の決斗(1964年製作の映画)

3.8

内田吐夢監督の宮本武蔵シリーズの第四作目。(全五作)

本作はなんと言っても一乗寺での決闘である。
70人対1人という絶体絶命な状況下での泥臭く、スタイリッシュからはほど遠い闘い…。そんな死闘を、敢え
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

法廷で暴かれるのは殺人の事実ではなく、赤裸々な夫婦の関係性。
現場状況的には、殺人とも自殺ともとれる。

子供と犬以外に同情はせず、他人事として鑑賞したからか、そこまで裁判の論点に興味を持たずに鑑賞し
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女の中にいる他人(1966年製作の映画)

3.6

成瀬巳喜男の晩年の作品。

なぜ警察が犯人を特定できないのかが終始謎。
殺人と罪の告白に関する夫婦の物語。

自分本位な夫が憎たらしく、妻に同情していたけれど、人が死んでいることを考えると、妻だって自
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ゾンビ/ディレクターズカット完全版(1978年製作の映画)

3.4

過去の名作に対する感想としては不適切であろうが、少し冗長な気がした。

ゾンビ映画の代表作であるが、ゾンビは動きが非常に遅く、不死身でもなければ力も特別強くない(肉弾戦でも勝てなくないレベル)、軍隊で
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

4.1

成瀬巳喜男監督の傑作。

名優高峰秀子演じる圭子の生きていく力強さが眩しい。
(あらすじの狂言自殺のくだりは、本作の展開の一つに過ぎず、全くサスペンス系の作品ではありません。)

バーの雇われマダムで
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太陽の王子 ホルスの大冒険(1968年製作の映画)

3.8

高畑勲の初監督作品。

半世紀以上前のアニメーション作品なので、正直期待していなかったが、普通に面白かった(ジブリでリメイクしてほしいレベル)。

元々アイヌの伝承を原案とした作品で(商業的な判断によ
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Shall we ダンス?(1996年製作の映画)

3.2

時代だから仕方ないのだろうが、セクハラだったり容姿いじりだったり、現代だと完全にアウトな要素がちらほら。

自分の心が狭いのか、役所広司演じる主人公の杉山が普通に許せなかった…。

本気だろうが浮気だ
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月世界旅行(1902年製作の映画)

3.5

1905年公開の世界初のSF映画らしいが、寧ろファンタジー映画と言うべき娯楽作品だと思う。

大砲を打ち込むような月への行き方は斬新で面白かった。
本作以前の映画(動画?)な作品と比較して、フィクショ
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ターミネーター2(1991年製作の映画)

4.1

「1作目より評判の良い続編」の代名詞的な作品。

やはり、1作目で恐ろしかったシュワちゃんの立ち位置、真っ当に未来を変えにいく王道ストーリー、序盤から迫力満点のアクション…と、SFアクション映画の娯楽
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小原庄助さん(1949年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

♪小原庄助さん なんで身上潰した
朝寝 朝酒 朝湯が大好きで
それで身上潰した
はあもっともだー もっともだ♪
この歌が癖になる…。
屋敷を歩く場面のカメラワークが気持ち良すぎる…。

先祖伝来の立派
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パディントン(2014年製作の映画)

3.6

イギリスの児童文学作品と言うことで、ストーリー自体は子供向けの印象でしたが、美術や演出の可愛さが目を引く作品でした。

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.1

本作の妻は確かに不足している部分はあるものの、彼女を壊しているのは夫の方だと思う。

仕事で妻との約束を守れないのは仕方ないとしても、早めに連絡も入れないし、翌日二人で過ごそうなんか言いつつ、前触れも
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ターミネーター(1984年製作の映画)

4.0

シュワルツェネッガーの体格がえげつない。

シリーズとして2作目が人気ですが、1作目の敵としてのシュワルツェネッガーもなかなかにおつでした。
結果が収束していくようなタイムリープものとしての気持ち良さ
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PASSION(2008年製作の映画)

4.1

濱口竜介の卒業制作。

浮気や片恋を描いたシリアスな会話劇。

はじめての濱口竜介監督作品でしたが、これは凄いと思わされました。

他の作品を観ていくのが楽しみです。

血槍富士(1955年製作の映画)

3.8

内田吐夢監督作品。

相変わらず題名の付け方がなんとも…。

終盤の槍持ちの泥臭い暴れっぷりが悲しくて切なかった。

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

4.2

スタンリー・キューブリック監督の代表作の一つ。
絵になる構図、美術の最たる作品だと思う。

音楽と静寂の使い分けも見事。
静かな空間でHALが暴走する展開は、SF映画ながらホラー映画のような恐怖すら感
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有りがたうさん(1936年製作の映画)

3.9

道を譲ってもらうなど、他人の親切のたびに気持ち良く「ありがとー」と声をかけることから「有りがとうさん」として慕われているバスの運転手が主人公(上原謙)の作品。
終着点までの道中、乗客やすれ違う人々との
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

4.1

人種差別的な作品である「國民の創成」の口直しに最適なタランティーノ監督作品。(お陰様で無事にメンタルが回復。)

途中、出てくる白いシーツを被った差別主義者集団の阿保っぽいやり取りにほっこり。

しか
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國民の創生(1915年製作の映画)

2.0

1915年公開、3時間長の古き長編映画。
映画「ブラック・クランズマン」では、劇中でKKKが喝采を上げながら本作を鑑賞している。

映画史に残る作品であるが、本作をただの傑作と評するのはあまりにも不快
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駅馬車(1939年製作の映画)

3.8

1940年公開と、かなり古い作品ながら古さを感じさせない普遍的な面白さがある名作西部劇。

アパッチ族襲撃シーンの迫力がすごい。
(スタントマンが有名な方であったのは知りませんでした…。)
どの時代の
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浮雲(1955年製作の映画)

4.0

はじめての成瀬巳喜男監督作品。

戦時中のインドシナでの情熱的な記憶。
終戦後もこの過去を忘れることができない女と、同じく忘れることができていないであろう男の物語。

酷い男なのに色気があって、嫌いに
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真夏の夜のジャズ(1959年製作の映画)

3.8

劇場版『BLUE GIANT』の影響を多分に受けつつ鑑賞。
やたら狭い範囲のアップ画が多く、ライブ映像としては好みじゃなかった…。
拡大し過ぎてステージの全容が見えないどころか、演奏の手元すら見づらい
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タイタニック(1997年製作の映画)

4.6

子供の時分の鑑賞体験の記憶を頼りに「3.8」なる点数を付けていたのですが、改めて記憶というものはあてにならないと痛感した。

お見逸れいたしました。
ラブストーリーとしても、ヒューマンドラマとしても、
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新幹線大爆破(1975年製作の映画)

3.9

高倉健が主演として犯人役を演じるサスペンス映画。

スピードが80kmを下回ると爆発するという設定から、キアヌ・リーブス主演の「スピード」を思い浮かべる人も多いと思うが、両方とも黒澤明の「暴走機関車」
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秋刀魚の味(1962年製作の映画)

4.0

小津安二郎最後の監督作品。

小津が自身を豆腐屋に例え、豆腐しか作れないと語ったように、嫁に行く娘と父親という構図やテーマが「晩春」と酷似しているが、本作は(悪い)旧友との掛け合い等、よりコメディチッ
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

3.7

映画を観る上でアメリカは外せないし、アメリカを語る上で根深い人種差別問題は外すことができない。

本作は直接的で分かりやすい黒人差別が描写されているわけではなく、黒人に対するバイアスを強烈に皮肉るかた
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アパートの鍵貸します(1960年製作の映画)

4.0

いくら出世のためとは言え、自分のアパートの鍵を上司の浮気のために貸すだろうか…なんて、突飛な設定に驚きつつも、良質なラブコメ展開にすっかり夢中に。
この時期のアメリカ映画の中で、かなりお気に入りの作品
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かいじゅうたちのいるところ(2009年製作の映画)

3.3

子供の時分に読んでもらった絵本『かいじゅうたちのいるところ』の映画版。

絵本の内容だとあっという間に完結してしまうので、割りとうまいこと内容を引き延ばした印象のある劇場版でした。
特に遊びの自由感は
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残菊物語(1939年製作の映画)

3.8

溝口健二監督の代表作の一つ。

旧さ故か、音質がなかなか厳しく、やや鑑賞しがたい側面がある…。

歌舞伎役者と弟の若い乳母との身分差の悲恋(ロミジュリ)を描いた作品。

養子ながら座長である父親の二代
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晩春(1949年製作の映画)

4.7

かの小津安二郎監督作品。

妻の実家で鑑賞したが、今まで見た映画の中で、一番泣けたかも知れない…。

娘をいい加減嫁に出そうとする父親と、家に残りたいと考える娘の話。
名優、笠智衆演じる父周吉がいい男
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

3.8

シャンタル・アケルマン監督の代表作。

10年に一度紹介される英国映画協会と、Sight & Soundによる世界の批評家、映画人の投票により選ばれる史上最高の映画TOP100の1位に選ばれた3時間超
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これがロシヤだ/カメラを持った男(1929年製作の映画)

3.3

物語無し、ひたすら種々の映像を流す前衛的な作品。(一応、ドキュメンタリー映画扱いらしい?)

途中苦しかったが、終盤に面白い構図の画が断続的に流れてきて、満足感もあった。