Daikiさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

Daiki

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クラウド アトラス(2012年製作の映画)

4.0

箒星の痣はミームの運び手の印。
日記→曲→ジャーナル→小説→演説→伝話とフォーマットを飛び移り、啓示は時代を超え、弱者を奮起させる。
故に、これは神話的な輪廻転生やカルマの隠喩ではなく、表象文化につい
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この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.0

原爆がシンボリックな存在であるために、この作品ほど生活の領域になだれ込む戦争を描いた作品は数少ない

ドッグヴィル(2003年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

”人はどこでも同じだと思い知った。エサを与えれば腹が破裂するまで貪る”-チャック
これは欲望に関して期待の地平が変わってしまうことを示す。つまり、「必ずしも必要ではないが、生活を多少改善する雑用」は感
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

フィリップ・K・ディックのSF短編を思わせる脚本や、アーサー・C・クラークの描くテクノロジーのイメージが練り込まれた懐かしみのある作品

オリジナルのサムはどうなったか?という疑問には2通り場合分けが
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天気の子(2019年製作の映画)

3.5

⚠︎微ネタバレ注意⚠︎
映像的エピックは「言の葉の庭」で出尽くした感あり。しかし、「君の名は」以降で光り始めたプロットの(表層/深層)戦略には今作も舌を巻いた。


[ 表層 ]
てるてる
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フード・インク(2008年製作の映画)

3.5

現代病あるいは生産される病としての糖尿病、本当に共感できた。
消費者としての我々の購買にこそサイクルを断つ鍵があるというメッセージなのだが、生産者の労働状況をみると労働様式を変えなければ根源的には何も
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トータル・リコール(2012年製作の映画)

3.0

辛うじてまだ味があるSF観
フォール中に船外に出るのは流石に無しじゃないの?

トランセンデンス(2014年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

特異点あるいは超越点に達したAIはウイルスでは死なないだろう
AIがもたらす混乱を描くのは容易いけど対策が描けないのはSFの限界だよなぁ
宇宙戦争とかクワイエットプレイスもそうだけど

ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.0

ファミリーガイが実写化したみたいな映画
その分シュール度が高まってて笑えないシーンも多い
グロが大丈夫で理不尽なギャグが好きな人は一見すべき

ナコイカッツィ(2002年製作の映画)

2.5

ネガエフェクトやCGの多用、映像として残す意味はあるのだろうか

ポワカッツィ(1988年製作の映画)

3.0

一作目と比べ資料映像に近く退屈。秀でた作品が産業的再生産を経てやせ細っていくのは見ていて辛い。

言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.0

地面の濡れ、植物から照り返される緑の光、それを輪郭線の色分けによって表現する様などは、日本のアニメーションの系譜というよりは、ブレードランナーの美術ディレクターであるシド・ミードの流れを継ぐものである>>続きを読む

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

3.5

「どれほど速さで生きれば、きみにまた会えるのか。」

東京と地方で暮らしたことがある人には刺さるコピーだと思う。
速度の体感に変化を生み出す表現として、間奏となる2章が非常に効いていると感じた。章形式
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アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.5

Mr.ガラスが階段を降りるシーンは並のホラーよりハラハラした

パララックス・ビュー(1974年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

陰謀論映画はすべて視差をテーマにしているのだから、タイトルは視差でいいのだろうか?とはじめは思った。
しかし、陰謀を暴く主人公が自らの意思で陰謀の歯車となってしまうことを考えると、主人公でさえ気づけな
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コヤニスカッツィ(1982年製作の映画)

4.6

ノンフィクションでありながら、鑑賞者の想像力を規定するフィクティブに溢れた作品だった。我々が日常的に目で捉え脳で処理しているものとは明らかに違うこの映像は、映画のメディアとしての特殊性は何であったか、>>続きを読む

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.5

20世紀に訪れた村落解体の過渡期を生きる中年と少年の掛け合いはニュー・シネマ・パラダイスを彷彿とさせる
playtimeを観たあとではセットのパワーに物足りなさを感じるのでこちらを先に観るほうがいいだ
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市民ケーン(1941年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

貧しくも楽しかった幼き日々を奪われてからは富も権力も愛することも空しい
と読める映画であるが、新聞王ハーストの実話がベースとなっていることを考慮すると、バラのつぼみは飽くなき欲の象徴だったようだ
まる
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青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)

3.5

見事というべきは、

画面越しに伝わる湿度、
蚊帳を撫でる夜風、
陰を讃える床の照り返し

が全てフランスのロケ地で捏造されたものということだ

BGMもいい働きをしている
しかし、ストーリーは素朴す
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プレイタイム(1967年製作の映画)

4.0

合理主義に切り取られてはみ出す人間の非合理はまさに喜劇的だった。
特筆すべきは観客の視線が位置付けられる構図づくりで、こうでなければ救われない日常の笑いがあるのだと見惚れる。

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)

3.5

プロットはおなじみの世紀末救世主型なのだが、長回しのクオリティには舌を巻く

「誰も見にくる人々がいなくなったら、これら(ダビデ像、ゲルニカ、ピンクフロイドの豚風船)すべてになんの意味がある?」

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女は女である(1961年製作の映画)

3.0

カメラを通してこちら側に話しかけてくる演技がこの映画をよく表していると感じた。
俳優の制度化された役割をメタ視点から自己言及するユーモアは、恋愛において子供とは何なのかという葛藤に対する2人のシニカル
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希望のかなた(2017年製作の映画)

3.0

構図と光による画づくりには長けているとは思ったが、形式による演技は物足りなさを感じてしまう

悔しいので他の作品を試してみたい

ザ・プレイス 運命の交差点(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

信仰とその身も蓋もない教えについての映画。
さらに言うと主人公は現代の信仰対象となった"お金"の擬人化。

信仰対象自体に問題解決の機能は無く交換条件を示すだけ。
しかし、今回取り上げられた依頼は単純
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.0

3Dメデイアと2Dメデイアを隔てていた壁が崩壊した瞬間を目の当たりにした。
線と塗りに演技をさせる2Dと、カメラワークに演技をさせる3Dが手を結び情報密度の濃い表現が可能になっている。
この作品以降の
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