Mさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

白い恐怖(1945年製作の映画)

3.6

ふたつの主観ショット、そして回転。
精神分析と探偵についてはジジェクの『斜めから見る』を読むべし。

エイリアン(1979年製作の映画)

4.7

映画とはなによりもまず光学的イリュージョンでなければならない。その意味で、リドリー・スコットが人類に『エイリアン』と『ブレードランナー』を残した功績はあまりにも大きい。

ANIMA(2019年製作の映画)

-

とりあえず不眠と疲労の話。またあとで見たい。

オーディション(2000年製作の映画)

4.1

映画的快楽と欲望の現実界。三池崇史、見直した。

Cf.『飾窓の女』

マジカル・ガール(2014年製作の映画)

3.5

クラシカルなファム・ファタールの欲望の崩壊を女の生々しい肉体の崩壊として描いた点は評価せざるをえない。

スカーフェイス(1983年製作の映画)

3.9

The World Is Yours
言うまでもないが、ホークスの方がすごい。

リズと青い鳥(2018年製作の映画)

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全編を通して変態構図と変態編集が冴え渡っているだけに(最大の見せ場であるはずの)演奏シーンの凡庸さが残念すぎる。

ハブ・ア・ナイス・デイ(2017年製作の映画)

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あまりにも舐めた顔の登場人物たちを動かすのは、整形の失敗。そしてその顔は永遠に不在(非現前)のままなのである。

ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

4.1

三人の女へ直結するように見えるが、おそらくはロング・グッドバイと表裏一体の作品。ガラスの中に閉じ込められるのはまさにマーロウ。

今宵、フィッツジェラルド劇場で(2006年製作の映画)

4.0

アルトマンとフィッツジェラルド(あとウィリアム・ジェームズ)、彼らのおかげで俺はアメリカを永遠に愛することができる。

小さな兵隊(1960年製作の映画)

4.3

反省の時代、独白によって露わになる映画の臨界。

殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.9

デパルマの映画は映画への愛が爆発していて見てて元気になる。

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

-

レイヤーの重ね合わせでしかないアニメの虚構性を隠すことなく、最高度に使いこなしている。涙が出るほどの完成度だ。

審判(1963年製作の映画)

5.0

おそらく唯一無二の大傑作だが、画面の魔力にすべてを持っていかれ、内容が何も頭に入ってこない。

怪物(2023年製作の映画)

1.8

あまりにも(大人の)破廉恥な意匠に満ちた駄作すぎて驚愕してしまったが、これは脚本がすべて悪いのだと信じたい。ただひとつ、わからなさをわからなさのままで(破廉恥な意匠抜きで)写しとったのがトロンボーンの>>続きを読む

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

4.2

映画が偶然に映像と音声が合致した仮象でしかないことを自己言及的に暴いてしまう恐るべき作品。(『デジャヴ』のタイムスリップカーチェイスの元ネタは案外これなのかもしれない)

カンザス・シティ(1996年製作の映画)

4.5

音楽を流さない硬派な演出とは異なり、むしろ音楽を流し続けることによって、アルトマンは映画が虚構の時間であることを見せつけてしまう。

カリートの道(1993年製作の映画)

4.3

ファム・ファタールのいない『アウト・オブ・ザ・パスト』であり『ギルダ』の純ノワール的変奏。クラブの長回しが冴えている映画は素晴らしい。

ヒート(1995年製作の映画)

4.1

30秒フラットの空虚な男たち。実はマイケル・マンはコラテラルしか見たことなかった。

恐怖の岬/ケープ・フィアー(1962年製作の映画)

4.5

疲れててまともな感想は書けそうにないが、とりあえずロバート・ミッチャムがすごい。

TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0

舞台と客席の間をさまよう長回しがすべて。ターはもはや自分がどこにあるのかわからないのである。
(アルトマンがこれを撮っていたら…という想像が膨らむ)

殺しの分け前/ポイント・ブランク(1967年製作の映画)

5.0

『キッスで殺せ』や『マッキントッシュの男』のように、意味不明な脚本を天才的なセンスでゴリ押しすると悪魔が生まれるという好例。神がかっている。

脱出(1944年製作の映画)

3.7

ハードボイルドを絵に描いたようなハンフリー・ボガート。

エクソシスト(1973年製作の映画)

3.8

ロングショットとズーム、そしてサブリミナル。

暗黒街の顔役(1932年製作の映画)

4.2

冒頭の長回しからクライマックス。カレンダーを捲るマシンガンとともに映画は一気に加速する。

ディパーテッド(2006年製作の映画)

3.8

ブレードランナー、そしてチャイナタウン。空虚だ。

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.2

一切の妥協も救いもなく、スクリーンの外には逃げられない。

ゴッドファーザー(1972年製作の映画)

4.6

やっぱりルカが死ぬところが最高。ここから映画が始まる。

ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年製作の映画)

4.2

スコセッシの根底にあるのは(『タクシー・ドライバー』よりも)『ミーン・ストリート』のデニーロ(そして『沈黙』のキチジロー)であり、人間は皆デニーロなのだ、という。