Evansさんの映画レビュー・感想・評価

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柳川(2021年製作の映画)

2.5

「沢山の余白」

好きだった幼馴染に20年ぶりに会いにいく物語

3人が1人の女性を好きになっているというドロドロしそうな設定であるが、カラッとした関係で終わっていった。

◆本編とは関係のない色々な
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

2.5

「人生における正当な評価」

リチャード3世の遺骨を発掘した女性の物語

歴史における評価と、人々の流布が異なることが、真実への道を遠ざける。

◆イギリスでは歴史的に意義のあることであったが、知識が
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ナイトクラビング:マクシズ・カンザス・シティ(2022年製作の映画)

3.0

「伝説のクラブ」

ニューヨークに実在したクラブの伝説を紐解くドキュメンタリー

話をするロック界の大物たちが、あれは良かったと語りかける作品

◆アンディーウィーホールで始まり、アート色が強かった集
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.3

「演技合戦」

仮面ライダーを新感覚で描いた作品

雑魚敵も雑魚に見せず、それぞれの敵も少し狂った感じを出しながら、魅力的に描いていた。ストーリーは意外性はなかったが見やすい展開であった。

◆演者は
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麻薬密売人 プッシャー(1997年製作の映画)

3.0

「トニーの陽気さ」

麻薬の売人が事件に巻き込まれて身動きが取れなくなっていく様子を描いた先

トニーが亡くなるまでは、陽気で調子のいいコンビで良い感じであったが、それからは重い展開が続いた。

◆ト
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ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

2.5

「なぜとは聞かない」

黒沢清監督のシュールな世界を描いた作品

自主制作映画っぽく、ATGのようであり、学生演劇のようであった。

◆本編もシュールな要素が沢山盛り込まれていたが、画像の荒い映像はよ
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縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)

4.6

「正しさとは何か」

ホロコーストや収容所を通して、正しさとは何かを考えさせられる作品

純粋な少年の心は、純粋なまま駆け抜けたが、そこには不幸なラストへと向かわないための何かが出来たのではないかと考
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クロッカーズ(1995年製作の映画)

3.7

「黒人街にカイテル」

黒人地区で売人をしている主人公を中心に、黒人が置かれている状況を描いた作品

スパイクリー作品らしく黒人を中心とした作品であったが、カイテルを味方とすることで、他の作品より差別
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美しき小さな浜辺(1948年製作の映画)

3.0

「不幸の連鎖」

戦争孤児がいかに差別的な扱いを受けたかを描いた作品

主人公は生活に嫌気がさし、最後の旅に自分が辛かった過去を見に来たのだろう。

◆雨の街で暗い演出の中、感情を抑えきれない主人公の
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.3

「フォークリフトと踊る」

スーパーマーケットの従業員による付かず離れずの関係性を描いた作品

淡い恋心や、誰にも言えない悩みを抱えながら生きている様子を描いた。

◆オーケストラの楽曲に合わせて、フ
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

3.7

「嘘しかつかない」

有名ポルノ俳優の落魄れた様子を描く作品

人を利用することしか考えず、事実のように嘘をつく、そんか彼を嫌いにはなれない。

◆嘘をついて生まれた状況で、自らの都合だけをひたすら主
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マンハッタン(1979年製作の映画)

3.8

「都会的な恋」

ウディアレンが描くマンハッタンの恋模様

知り合い同士でくっついたり、離れたりを繰り返し、結局は元の関係に戻っていくまでを描いた作品

◆少しは考えて行動しろよと説教をするウディアレ
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Jam Films (ジャム フィルムズ)(2002年製作の映画)

4.0

「起承転結」

短編オムニバス作品

各監督が描く世界観と起承転結のストーリーが織りなすハーモニー
短い時間の中で、結末を予想させずも、進行を理解させ、納得感のある結末へ
多かれ少なかれ監督の好みが出
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笑う男(1928年製作の映画)

3.1

「笑う男の運命」

幼きころに口裂け男にされた男の運命を描いた作品

サイレント作品らしくオーバーな演技であったが、女王様の音楽会の参加者の退屈な姿が描かれていた。

◆ジョーカーの元となったであろう
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雨月物語(1953年製作の映画)

3.3

「目先の欲にくらんだ男たち」

大切にするべきものを蔑ろにし、自らの欲するところしか見なかった男たちが後悔する物語

キツネにつままれたような幻想の中で、欲するところだけを見て、周りや後のことを考えて
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グロリア(1980年製作の映画)

3.5

「少年の瞳」

家族を殺害され、残された少年と共に逃げたギャングの女性を描いた作品

常に女性を見つめる少年の瞳が印象的な作品であった。

◆どこでもすぐに拳銃を突きつける女性であったが、少年の前では
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戦争と平和(1956年製作の映画)

3.3

「愛と命のために」

ナポレオン進軍を受けたロシアを描いた物語

おてんばな娘が、苦しみと痛みを知り、可憐な深みのある女性へと変貌する姿をオードリーが演じた。

◆直接的な戦争表現はあまりないが、フラ
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.6

「俯瞰の映像と不協和音」

恨みを買った医師が呪いのようなもので、家族を苦しめさせられる作品

過度に上からの画角で納められたカット、日常のシーンでも不安を煽るような不協和音で、何か異質なことが起こる
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のら犬(2023年製作の映画)

2.9

「片田舎の友情」

フランスの片田舎を舞台に映し出された友情の物語

女性の登場によって2人の関係が崩れていき、うまく行かなくなる。

◆変わり映えのしない閉鎖的な街並みと、変わり映えのしない人間関係
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クラム(1994年製作の映画)

3.0

「何と最低に輝いている」

アングラ漫画家のクラムを描いたドキュメンタリー

クラム自身は飄々としているが周りの人が語る彼の人間像は複雑に歪んでいた。

◆自身のドキュメントであったが、兄や弟のインタ
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

3.9

「最初の違和感を回収」

瑛太のカッコ良さを松田龍平が掻っ攫っていく作品

不思議な会話からセピア色の過去を紡いでいき、真相へと繋がるストーリーに説得力があった。

◆最大のクライマックスは松田龍平の
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冬の旅(1985年製作の映画)

3.0

「逃避行」

ホームレスの主人公に関わった人の証言と、彼女の足取りを描いた作品

彼女が何から逃げていたのかは不明であるが、労働を拒み続けていた。辛い状況が改善されるわけでもないのに彼女はその生活を辞
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花様年華(2000年製作の映画)

3.4

「深みのある淡さ」

隣人の夫婦が不倫をされている当てつけに不倫のような行為を起こす淡い物語

直接な表現をさけ、曖昧で淡い感情を、柔らかく伝えることによって、触れることに出来ない心をそっと包み込んで
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インフル病みのペトロフ家(2021年製作の映画)

3.0

「妄想と現実の間」

妄想と現実と過去を往来する作品

過去を紐解きながら、登場人物が主人公と何かしらの関係を持っていることが解き明かされるストーリーであった。

◆宇宙人のような設定があったが、本編
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ノスタルジア(1983年製作の映画)

3.1

「モノクロの世界では」

イタリア舞台に夢と現実を行き来するような作品

謎の言動をする男に魅了された主人公は、精神世界へ往来するように見えた。

◆神の世界か、精神世界か、夢かは分からないモノクロの
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白い花びら(1998年製作の映画)

3.3

「誘惑の先にあるもの」

田舎暮らしをしていた女性が、旅の者に口説かれて家を出ていく作品

田舎暮らしにあまり不満はなかったはずの女性を、時間をかけて駆け落ちさせた男の手腕が凄かった。

◆優しくして
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天使の涙(1995年製作の映画)

2.9

「交わりあう感情」

5人の青年男女の感情の交差点を描いた作品

群像劇であったため、1つ1つの物語に強さや切なさをあまり感じられなかった。

◆無口な男のエピソードは、心温まり、コメディな色もあり楽
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.7

「女性2人の逃避行」

楽しい女性2人旅であったのに、レイプされかけ、相手の男を射殺してしまったことで始まった逃避行

テルマとルイーズの対照的なキャラクターと、状況によって2人の立場が入れ替わりがあ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

「裁判の実態」

妻の殺害か自殺かを争った裁判の物語

裁判シーンが多分に含まれたが、過度な演出があるわけでもなく淡々と、事実と主観と想像を分けて討論が行われていた。

◆裁判となると、一つの事象か生
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

3.3

「母の取り合いのよう」

女王様を取り合う女性同士を描いた作品

女王というよりは、母親の気を引くために画策する姉妹のように見えた。
片方がうまくいくと、それに嫉妬して、気を引こうと行動する。それの連
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バーバーショップ(2002年製作の映画)

3.6

「社交場」

バーバーショップを舞台に、みんなが好き勝手にする物語

ストーリーは店の売買とATM泥棒の2つを並行的に見せてくれるので飽きることなく見ることが出来た。

◆本人は気にもしていない一言が
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

2.8

「善い道からそれた人々」

人に流されてばかりの主人公が、逃亡犯と共に逃げる作品

自分の思い通りにならないと癇癪を起こし、すぐに殴られる。それが彼女の日常であったのだろう。

◆計画性もない窃盗に強
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

3.5

「池松さんの演技幅」

銀座のクラブを舞台に、ジャズピアニストの葛藤を描いた作品

ヤクザ役に迫力がないが、本作にはちょうどいい悪役として描かれていた。

◆池松さんが一人二役を演じることで、一つの作
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いますぐ抱きしめたい(1988年製作の映画)

3.4

「エキゾチックなカッコ良さ」

香港のヤクザの兄貴分を描いた作品

従姉妹との恋、弟分の不始末が主として描かれていた。主人公の思い切ったカッコつけた演技が、欧米文化とアジア文化の混ざった街によく似合っ
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ヘヴィメタル/ヘビー・メタル(1981年製作の映画)

2.6

「ヘヴィメタルの世界観」

マッチとセクシーな女性が中心の世界観を描いたオムニバス

緑の光が引き起こす暴力の連鎖。
世紀末の荒廃した世界で信用できるのは自らの肉体のみであった。

◆マッチョイズムが
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ピータールー マンチェスターの悲劇/ピータールーの虐殺(2018年製作の映画)

3.1

「権力者の思惑」

マンチェスターでの労働者革命を描いた作品

権力者は右往左往しながらも、その思惑通りにことが進んでしまった。

◆変わることもあれば、変わらないこともあるというセリフは今作の根幹で
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