しんたさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

SUSHI GIRL(2012年製作の映画)

3.5

とある場所に集められた5人の男。彼らの目的は一つ。刑務所に入っていた仲間の一人から失われたダイヤの在処を聞き出すこと。
これがあの傑作、『レザボア・ドッグス』を彷彿とさせる密室劇で大変良い。脚本自体は
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ANIARA アニアーラ(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

なんともまあ、救いが無い映画である。
環境の激変により火星への移住を企てた時代。不慮の事故から宇宙船アニアーラは宇宙を永久に漂う事になる。
時間は無情にカウントされ、人々が打ちひしがれる姿のみがそこに
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楽園(2019年製作の映画)

3.5

田舎の風景の美しさと反比例するかの如き人間の醜さが描かれている。人間は弱い者を見るとどうしようもなく残忍に、そして冷酷になれる。
本作に描かれるような集団心理は田舎ならではのものである。一人では何も出
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聖地X(2021年製作の映画)

3.2

まずこれはホラー映画ではない。良い意味で観客を突き放す作風はある意味問題作だろう。その土地に関わった人間を恐怖と狂気に追い込むものとは果たして。そして彼らはこの苦難を乗り越える事が出来るのだろうか。>>続きを読む

ウォーターワールド(1995年製作の映画)

2.0

世界が全て水に沈んだ世界。文明が崩壊した中、地上への想いを馳せ、探す者たちがいた。
いかにもこの時代のハリウッド映画といった趣で、大掛かりなセットに爆発などなど、多額の予算が投入されているのがよくわか
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.0

素晴らしい作品である。今まで認知症や老いを描いた作品は数多存在していたがこの作品はその中でもトップクラスにあるのではないだろうか。
もしも自分の親が、あるいはパートナーの親がそうなった時、家族はどうす
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ヒッチハイク(1976年製作の映画)

3.6

男と女、そして金。同系統の作品、『ヒッチャー』にあるのがむき出しの悪意であればこの旅路にあるのはむき出しの欲望である。
たまたま乗せたヒッチハイカーは強盗犯で200万ドルを持っていた。夫婦はどうにか逃
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大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)

3.5

倒された怪獣のその後はどうするのか。そこに挑んだ怪作が本作である。お役所仕事の何たるかがコミカルに描かれ、政治家たちは右往左往する。人や娯楽映画のルールを問答無用で無視したクライマックスで悲鳴をあげる>>続きを読む

不夜城の男(2020年製作の映画)

1.0

酷評注意!

退屈極まりないストーリー展開だ。
既視感のあるカットがいくつも使い回しされているわ、テンポは「のんびり」しているわ(ゆっくりではない)、これといった見所がどこにあるかと問われると首を傾げ
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エンドレス 繰り返される悪夢(2017年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

彼は同じ事故を繰り返す。その中で娘は何度も死ぬ。
SFの、わかりやすい作品を期待していると肩透かしを喰らう。観終わったあと、始まりからは全く想像していなかった所に着地する事に大勢の人が驚くだろう。ただ
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悪魔は見ていた(2019年製作の映画)

1.0

主人公を含めた誰一人として共感できないのがイタイ。展開も悪い意味でてんこ盛りで「どれか一つ削ってもよかったのでは」と言いたくなった。そもそもあの使えない部下は必要だったのか、あちこちにここぞとばかりに>>続きを読む

メタリカ:真実の瞬間(2004年製作の映画)

4.0

『真実の瞬間』とはよくつけたタイトルである。
メタル、ロックシーンのトップを走り続けるメタリカだが、その内部でメンバーは悲鳴をあげ続けていた。
トップでいる事の苦悩、メンバー間の軋轢……そして脱退。
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悪魔を見た(2010年製作の映画)

5.0

タイトル通りの作品である。
婚約者をシリアルキラーに殺された男は一人、犯人を見つけると孤独な復讐を開始する。暴力によって圧倒すると今度は解放、さらに追い詰めて再び暴力で圧倒するのだ。
復讐の果てには何
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悪人伝(2018年製作の映画)

4.1

ヤクザが刺される、そんな事はあっちゃならねぇ。
殺人鬼の標的にされたヤクザのボスは部下たちを集めて殺人鬼の行方を追い始める。
刑事とヤクザが手を組んでシリアルキラーを追い詰めるという異色の展開がまず魅
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ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

4.0

冷徹で、突き放したような作風だがこうしないとノルウェー産ブラックメタルには迫れないのだろう。
彼らの願いはただ一つ。
「バンドで有名になりたい!」
だが彼らはそうなる為に手段を間違えてしまった。
殺人
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REVENGE リベンジ(2017年製作の映画)

4.5

文字通りの殺し合いである。
男たちによってボロボロにされ、荒野に棄てられた女。彼女は一人、復讐を誓う。
この復讐が実にシンプルで心地よい。下手な小細工はナシに、シンプルに殺し合う男と女にカメラは焦点を
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マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

3.5

虐待を受けていた親友が死んだ。彼女は一人、親友の遺骨を持って「海」へと向かう。
淡々としたロードムービーで、永野芽郁は当たり役である。どん底にありながらも叫びを上げ続ける彼女の姿に痺れた。

最後まで行く(2014年製作の映画)

4.0

面白い!
轢き逃げをした刑事は事件を隠蔽しようとするが事態は二転三転、やがてとんでもない方向へと転がり出す。
コリアンノワールとしては「かなり」良い出来で、あちこちに張り巡らされた伏線が一つの点に収束
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.0

あっと息を呑む危機的状況において我々は何をするべきなのか。
テロという巨大な悪を前にして三人の若者が取った行動は驚くべきものだった。
この三人の若者が実に実直で良いキャラクターをしている。愚直、とでも
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ゆるキャン△(2022年製作の映画)

3.8

大人になった彼女たち。そんな彼女たちはひょんな事からキャンプ場を作る事になるが……。
これがなかなか面白い。連載アニメの延長線というだけでなく、人の輪が広がってキャンプ場作りに収束していく様はお仕事ド
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頭上の敵機(1949年製作の映画)

2.0

これは自分とは合わない作品だった。
戦闘シーンは当時の記録映像を採用しているそうで迫力満点だが、それも短い。
ある基地に派遣された上官と部下の軋轢などを中心に描いているが如何せん面白みがどこにもない。

ザ・デプス(1989年製作の映画)

3.8

深海で発生する謎の事故、そして見え隠れする影の正体は一体何か?
前半部、「それ」の正体を見せずに引っ張るだけ引っ張って事故を多発させるなどして緊張感を高める手法が巧み。これのお陰で後半の畳み掛けるよう
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ワンダーウーマン 1984(2020年製作の映画)

3.3

世界のパワーバランスが崩れ去り、崩壊の危機がすぐそこにやってきた。世界を救えるのは彼女、ただ一人。
舞台を1984年に進めて物語もスケールアップ! 映像は明らかに80年代のそれを意識している。完コピ
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.5

とてつもなくシュールで難解なホームドラマである。
牧場を営む夫婦。彼らの元にある日天からの恵みが訪れる。
この恵みの正体に度肝を抜かれたし、この映画はどうしてもこうなってしまうだろうと感じた。シュール
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百円の恋(2014年製作の映画)

4.0

胸をぶち抜かれる映画とは本作のような映画である。
実家に引きこもり、ニートとして暮らす女。家を追い出された彼女は深夜コンビニのバイトを始める。そこでボクシングと出会い……。
一人の女が目覚め、成長して
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チェンジリング・シークレット(2018年製作の映画)

2.6

いなくなったはずの次男がある日突然帰ってきた。
だがその日を境に奇妙な出来事が起き始める。
特筆して緊迫感に溢れているわけでもなく、衝撃的な展開があるわけでもない。特筆して観られる作品ではなかった。

キュクロプス(2018年製作の映画)

3.6

刑期を終えて出所した男に持ちかけられる暗殺計画、それは思わぬ方向へと転がり込んでいく。
不協和音を奏でるようなめちゃくちゃな計画が次第に真の姿を見せてくる展開が大変素晴らしく、息を呑む。二転三転とはこ
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兇弾(1949年製作の映画)

2.6

戦後間もないロンドン。衝動的に犯罪に走った若者達を警官たちは地道な捜査の末、追い詰めていく。
クライマックスでのハイスピードなチェイスにサスペンスは素晴らしいものの、それに至るまでがどうにも尺を伸ばし
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

5.0

ずばり断言してしまおう、本作は至高の傑作である!
日常的な光景が続いたかと思うと突然ねじ込まれる暴力描写に、スピーディーな活劇、かと思うとオフビートな日常描写が同居しており見事に融合している。
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暴力行為(1949年製作の映画)

3.9

お前が過去を忘れたとしても過去はお前を忘れない。
戦時中に犯した罪。それを恨んだ「足の不自由な男」が名士を追い詰める。
ジワジワとサスペンスは盛り上げられ、登場人物が追い詰められていく。その様はサスペ
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チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ー(2020年製作の映画)

4.2

銃撃も追跡劇もない。だがこの異様な緊迫感は何なのか。
迫害の対象は普通の人、である。その普通の人がどうして迫害され、命を危険に晒されなくてはならないのか。権力者は暴威を振るい、国を漂白しようとする。そ
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.3

圧倒的なイマジネーションの世界だ!
人間型の宇宙人と巨大な宇宙人が暮らす惑星を舞台に繰り広げられるSFドラマ。
そこで描かれるのは奇っ怪で、摩訶不思議なセンス・オブ・ワンダーの世界だった。この作品を一
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

3.5

なかなかにゾクッとさせる映画だ。とは言ってもホラー的なものではない。テンポといい、間の良さといい、もたつきがない。ランニングタイム1時間29分、スリルとサスペンスが全開である。ある日母親に対して芽生え>>続きを読む

雪暴 白頭山の死闘(2018年製作の映画)

3.9

強盗団と彼らを追う刑事。彼らの運命は雪に包まれた山中で激突する──。
派手さをグッと抑えた演出が実に好感触である。まるで大沢在昌か外国の冒険小説を読んでいる様だし、展開はノワールのそれでもある。よく出
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真・事故物件 本当に怖い住民たち(2021年製作の映画)

1.0

残念な作品だ。(以下酷評注意)
アイディアを整理せず、とりあえずランニングタイムに収めました、という印象がプンプンする。ゴア描写はなかなかではあるが音楽の使い方は二流以下だし何よりも脚本や演出が弱い
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