このレビューはネタバレを含みます
小説に関する映画ではあるのだが、主人公の家族の関係性の描き方などそちらの部分の描き方がすごい「丁寧」な映画だと感じた。
「ふざけて書いた覆面小説が自分のこれまでの作品より売れてしまった作家としての葛>>続きを読む
アノーラとロシア人御曹司の出会いから、御曹司の取り巻きとアノーラのバトル&ドタバタ道中など映画としての「起承転結」はしっかりしているのだが、アノーラや周囲の人間についての掘り下げもほとんどないまま話が>>続きを読む
「エレキをフェスで演奏したらブーイング」なんて現代になって考えると失笑しちゃうような出来事だが、映画の前半でディランのフォーク歌手としてのスターダムの上昇を、ディランのフォーク時代の名曲と一緒に描くこ>>続きを読む
映画の雰囲気(青暗さをベースとした色調・テンポのよいカット・カメラワーク)は「ザ・韓国ノワール」といった趣きで良かった。あと警棒主体の肉弾戦アクションも好き。
ただ、「登場人物全員悪党」という宣伝の>>続きを読む
荒地を開拓しようとするマッツ演じる退役軍人のもとに女性や子供が流れ着いてきて疑似家族みたいになるのだが、作中何度も「土地か愛か」という選択肢を突きつけられていく物語なので、「愛を耕す人」という邦題はニ>>続きを読む
映像と音楽の「見せ方・聴かせ方」が相当上手で、荘厳なテーマ音楽が流れる中でダイナミックにインサートしてくる建物や道路の映像を見せられるだけで「なんか凄いものを見せられてる」と観客が感じてしまう手腕は、>>続きを読む
過去作の「ウィンターソルジャー」とか「シビル・ウォー」はヒーロー映画にうまくサスペンス要素とかを組み込んでいる点や、フィジカルを駆使したリアル寄りのアクションなんかが他のMCUヒーローとは違った味わい>>続きを読む
作中で描かれるイラン国内の女性活動家の殺害に端を発した女性を中心とする抗議活動への弾圧がまぁひどく、3時間ずっと真綿で首を絞められているような気分だった。圧政下での圧政下での市民を描いた映画は多いが、>>続きを読む
前半から中盤までのトニー・レオンのわらしべ長者みたいな出世譚は香港版「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のようで軽快な面白さがある。相手にどんなひどいことをされてもニッコニコで相手を篭絡しにいくトニー>>続きを読む
映画はほぼスタジオ内だけで展開しており、実は報道する側も派遣したスタッフからの映像や電話といった断片的な情報を頼りに数億人に情報を発信するという危ないことをしているのが良く表現できていたと思う。適宜、>>続きを読む
良いミニシアター系作品っぽいので見に行ったら本当に良いミニシアター系作品だった、という意味でのこの点数。宣伝にタランティーノの名前を出しているが、どちらかというとコーエン兄弟っぽい。
前半は主人公の>>続きを読む
キーラン・カルキン演じるベンジーの役が(作中の彼が抱える心の闇に起因するところはわかっていても)楽しそうにポーランドで無賃乗車したりホテルで騒いだり、他人がすごい大事な話をしているのにゲップやくだらな>>続きを読む
ジャンプスケアなどもなく比較的淡々と作中の「怪異」の全体像がいろんなエピソードからちょっとずつ見えてくる展開などは、「残穢」「近畿地方のある場所について」みたいな心霊モキュメンタリー系小説が好きなので>>続きを読む
なんとなく「ザ・レイド」みたいなダークでヴァイオレンスな作品だと思ってたら「呼吸術で物理攻撃に対して無敵になる」みたいな敵が出てきたり、最近のインド映画ほどではないが敵味方が物理法則を怒りや友情で突破>>続きを読む
原作小説「駆逐艦キーリング」は既読。
原作小説は「爆雷ドカドカ落としてみたけど敵潜水艦を倒せたどうかもわからない」「気がついたら危険海域を突破してた」みたいな読者を突き放すくらいのリアリズムがあった>>続きを読む
「フューリー」「エンド・オブ・ウォッチ」などのデヴィット・エアー監督作なので暗くてリアルな作風かと思ったら、敵役にゲームキャラクターみたいなのも登場し、ちょっとおふざけ気味?な良くも悪くも軽めのアクシ>>続きを読む
砲撃で荒れ果てた戦場や薄暗い森林を映しながら不穏な電子音楽が流れる場面は2024年の映画「関心領域」を思い出した。
通常だと戦争映画では戦争の「悲惨さ」を強調するところだが、本作では戦争の悲惨さも描>>続きを読む
原作ではヘルム峡谷の戦いはスパッと終わるものではなかったようだが、そこを結構忠実に映画化しちゃったので、戦いの推移が間延びしており緊張感がなかったのが残念。
角笛城がまた映画に出てくるので、「二つの>>続きを読む
ジョー・タスリムにイコ・ウワイスと「ザ・レイド」の組み合わせなので、「ザ・レイド」の粗悪コピー作品かと思ったが、画面から湿気が伝わってきそうなインドネシア映画独特の空気感に過剰なまでのバイオレンス描写>>続きを読む
原作の韓国ドラマは未視聴。
アイドル映画とかドラマの劇場版でなく日本でこういう比較的「純粋」なエンタメ映画を見れるのは貴重なのでそこは評価したい。
ストーリー面では、ドラマのストーリーをそのまま映>>続きを読む
ポール・メスカル演じる主人公より、彼の雇い主であるデンゼルワシントンの方が存在感がかなり強い。喋り方などを含めてギャングスタ感を出しまくっており、ローマ時代に「トレーニングデイ」のアロンゾ刑事が異世界>>続きを読む
「コンサート会場から脱出を試みる殺人鬼」という設定はちゃんと突き詰めれば面白くなりそうなのに、舞台設定が生かされないまま、後半に舞台となる場所や主人公的立場の人物がコロコロと変わってしまい、シュチュエ>>続きを読む
70年代アメリカ深夜TVショーの再現具合や、不穏な言葉を遺して緊急搬送される出演者など、前半から中盤あたりまでの番組に徐々に不穏な気配が漂ってくるところなどは、ファウンドフッテージ/モキュメンタリーが>>続きを読む
同じインディーズ映画として「カメラを止めるな」と一緒に言及されていることが多かったが、斬新なアイデアが受けた「カメ止め」に比べると、「侍が現代にタイムスリップ」なんてストーリーは多々ある中で、侍の生き>>続きを読む
ホラーではあるのだけど、微妙にコメディ要素も入っており、ホラーとコメディの配合比的には「チャイルド・プレイ」とか「スクリーム」くらいかな?と感じる。(ちょっとグロ要素があったりするが。)
登場人物は>>続きを読む
「午前10時の映画祭」で鑑賞。ちゃんと鑑賞するのは15年ぶりくらいか。
ストーリーは「義理」「人情」「仁義」といった要素がこれでもかと高濃度圧縮されていて、若いころはあまりピンとこなかったが、今見て>>続きを読む
チュ・ジフン演じるタクシー運転手のなんともうさんくさい感じと、ハ・ジョンウ演じる外務省職員の朴とつというかバカ真面目な感じは役者が役に合っていて良かった
ストーリーはそもそも現地のレバノンにハ・ジョ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ストーリー的には1作目×監督の代表作「ドント・ブリーズ」を掛け合わせて「2」風味を少々、という感じ。オーソドックスなモンスター・ホラーという原点にちゃんと帰りつつ、アンドロイドのアンディの「状況によっ>>続きを読む
あまりメジャー作品でもないので期待せずに見に行ったが、タランティーノ映画みたいに「第●章」と章立てされていたり、格闘シーンで格ゲーみたいに「●●VS○○」と字幕が出たりするなど、演出がポップで凝ってる>>続きを読む
アクションのキレの良さやバイオレンス具合は昨今の「ジョン・ウィック」や「ミスターノーバディ」の流れに連なるものであり、質・量ともに満足できるアクション成分を提供してくれる。正直「チャッピー」とかで見て>>続きを読む
全斗煥をモデルにした悪役チョンのクーデター計画はかなりお粗末なのだが、それに環をかけて政府側の対応がひどく、作中、チョンのクーデターを阻止するチャンスは何度もあったのに機会を活かせず、現場指揮官のチョ>>続きを読む
前作、「バッドボーイズフォーライフ」については
・いきなりの後付け設定(マイクに息子・アルマンドがいたことにされる)
・レギュラー登場人物の死亡(主要登場人物だったハワード警部が上述のアルマンドに殺>>続きを読む
劇中劇の登場人物に仮託してエミリーブラントが不満をぶちまける場面とか、テイラースウィフトを聴いて車中で泣く場面を目撃されるライアン・ゴズリングなど、ラブコメ部分が意外と面白かった。何かを協力して制作す>>続きを読む
これまでの劇場版2作品とも少なくとも特車二課がストーリーの中心だったが、本作は「レイバーがある世界での怪獣モノ(+刑事モノ)」に徹しており、レイバーや特車二課のメンバーはほぼ背景・舞台装置になっている>>続きを読む
「ヘリのローターにワイヤーで引っかかってローターの回転で相手を斬りつける」「内臓が剥き出しになる分子ガン」「おっぱいにガトリング」みたいなロバートロドリゲスしか思いつかないようなギミックやシーンは面白>>続きを読む
勝手に映像&音響の迫力だけで押し切るタイプの作品かと思っていたが、主人公のトラウマへの対峙とか、被災者を食い物にするデベロッパーへの批判とかをコンパクトにまとめるなど、脚本が堅実で良かった。
また、>>続きを読む