Harukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 75ページ目

Haruki

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メッセージ(2016年製作の映画)

3.9

映像や音響効果などが見事なまでに融合し、重厚で深みのあるストーリーに合っている。

ラストにかけて真相が明らかになっていく展開には引き込まれる。
輪廻的時間観と家族愛が重なり合った物語にもなっている。
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アメリカン・ギャングスター(2007年製作の映画)

4.9

バイオレンスな作品ではあるが、圧倒的に重厚な人間ドラマである。

フランクという人間が特にこの映画に深みを持たせている。
暴力的な面はあるが、家族を思いやったり恩師の遺志を継いで秩序をもたらそうとする
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.5

実話の迫力とキャストの演技が最大の見所。

オーストラリアの家族を大切にしながら、故郷のことを想う姿をデヴ・パテルが繊細に演じている。

ニコール・キッドマンの演技も素晴らしく、家族のことを一番に考え
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フェンス(2016年製作の映画)

3.8

黒人差別を描いてはいるが、家族の物語。

黒人差別を正面から描くわけではなく、とても深い面を描いている。
トロイは黒人差別の中生きてきて、時代が徐々に変化していることに気づかなくなってしまっている。
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マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.4

「偉大なるマルグリット」も観たけど、やっぱりハリウッドらしい。

脚色もあるだろうけど、よりコメディタッチでよりドラマチック。

純粋なラブストーリーであり、強く生きた女性の姿に感動する物語。

サイコ(1960年製作の映画)

4.3

サスペンスではあるが、スリラーもっと言えばホラーの要素も持ち合わせている。
ヒッチコックらしい不気味さが漂い、アンソニー・パーキンスの演技も恐い。

現代に通ずるどんでん返しものでもあって楽しめる。
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THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)

4.1

社会不満が高まっている現代の縮図として強烈な実例を描いた作品。

目的が見出せなかったり、人間関係が希薄だったりする中での人間の盲目的な心理が描かれている。
団体に属さない人が感じてしまう恐怖もさりげ
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エンド・オブ・トンネル(2016年製作の映画)

3.7

最初は展開がゆっくりだけど、後半は目が離せなくなるドキドキ感。

伏線を回収しながら犯人グループを出し抜いていく展開は気持ちいい。

全てが丸く収まる感じもいい。
主人公の家族についてのバックグラウン
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ロブスター(2015年製作の映画)

4.5

観終わると自分の恋愛観について考えさせられる異色のラブストーリーであり、ぶっとんだSFでもある。

まず設定が面白すぎる。とてつもなくセンセーショナルで過激な作品。展開は速いが詩情が溢れる映像で、皮肉
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リメインダー 失われし記憶の破片(2016年製作の映画)

1.3

アーティスティックな映像作家が作ったのも頷ける作品。
ストーリーは不可解で盛り上がりもなく単調。

ループさせるにももう少し上手く繋げてほしい。

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.4

おしゃれで喜劇的な要素も持ちながら、圧倒的にかっこいい作品。

冒頭のコーヒーショップでの会話からの急展開や、音楽などあらゆる演出がおしゃれ。

時間軸が交差するのもタランティーノらしい。

バグダッド・カフェ 完全版(1987年製作の映画)

4.9

すごくドラマチックなわけでもなく、淡々と進むのになぜか見入ってしまう作品。
登場人物がみなチャーミングで愛おしいからだろう。

観れば観るほどなぜか好きになり、人生の一本になる映画。

AM(夫の荷物
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メン・イン・キャット(2016年製作の映画)

3.0

なにも考えずに楽しめるコメディ。

姿を変えて初めて気づく家族の大切さというテーマは「ミセス・ダウト」に似てる。あっちの方がよっぽど好きだけど。

ケヴィン・スペイシー目当てで観たけどほぼ声だけ。
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スプリット(2017年製作の映画)

3.6

設定はおもしろいがぶっ飛びすぎ。
でもちょこちょこおもしろいとこもあるし、ケビンの内面にどこか切なさを感じる。

特典映像に入ってる別バージョンのラストもダークでよかった。

主人公の成長と絡めるのは
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ダンケルク(2017年製作の映画)

4.9

映像・演出・音楽が完璧に融合し、3つの視点が絶妙に絡み合う戦争映画。

叙事詩的性格を持ち、人を殺すという凄惨な側面をあからさまには描かず、救出(撤退)という希望の感じられる面を描いている。

ストー
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.6

初キューブリック作品

反戦映画にして、他とは別格のショッキングさを持った作品。
汚い言葉やアイロニックなユーモアがあふれ、その中で戦争がいかに非人道的で狂気的かを鋭く描いている。
この映画は大きく前
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特捜部Q Pからのメッセージ(2016年製作の映画)

3.9

普通のサスペンスではあるが、宗教の負の部分が抉られていて深く重厚なテーマも持っている。

宗教を強く信じた人の盲目さや、生命や倫理と信仰との矛盾が描かれている。

いきすぎた信仰によって心を壊された犯
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マリアンヌ(2016年製作の映画)

4.6

戦争の中で翻弄され苦悩しながら互いを愛し続ける2人の切なさが心を揺さぶる。
しかし、スパイ活動というテーマだからサスペンス要素も強く、観やすい。

複雑で純情な夫婦を哀切に演じた2人の演技も見事。

ピートと秘密の友達(2016年製作の映画)

3.9

映像技術や音楽、そして夢と冒険が融合したディズニーワールド。
目に見えないものを見て大切なものに気づくというテーマがとてもディズニーらしい。
ピートとエリオットとの絆や家族という存在が深く描かれていて
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スルース(2007年製作の映画)

3.3

ジュード・ロウとマイケル・ケインの演技合戦がスゴイ。
騙し合いをしていく中での狂気や恐怖がひしひしと伝わってきてどんどん引き込まれる。

重厚でどこかセクシーな雰囲気が全体を包む一風変わったサスペンス
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マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋(2007年製作の映画)

3.5

心温まるハートフルなファンタジーではあるけど、大人への成長とそれによって忘れられてしまう遊び心がしっかりと描かれている。

マホーニーにはすごく共感できるし、ヘンリーは遊び心を失くしてしまった大人の代
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マジック(1978年製作の映画)

4.4

人形と同化していく姿が怖いが、少し切なくもある。
自分の中の二面性がファッツとして顕れている。

はっきり言えないことや本音などがファッツの言葉として出てくる。
その形が、ラストの「ずっと1人だった」
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ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気(2015年製作の映画)

3.9

1人の女性の勇気がまた誰かの心を動かし、世の中を動かした感動の物語。
しかしそこだけに焦点を当てず、2人の出会いやデートなどの背景もしっかり描かれているので、より感情移入できる。

エレン・ペイジの自
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ストリート・オーケストラ(2015年製作の映画)

3.0

希望を持ちたくても持てない子どもたちと、ぶつかりながらも信頼関係を築いていく先生との感動の実話。
家庭での悩みなどを抱えながらも音楽と出会い、希望を見出していく姿が感動的。

物足りない気もするが、リ
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パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)

4.5

普段の生活ではできない経験をして世界を見るフィリップが主役のロードムービー。

人質にされているというよりも奇妙な友情を築いていくブッチとフィリップが微笑ましい。

父親のいないフィリップにとってブッ
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ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007年製作の映画)

3.5

ロメロらしいゾンビ映画。POVで緊迫感も出てる。

「オブ・ザ・デッド」シリーズはどんどんテーマがわかりやすくなって、説明口調になっていく。
これは現代の情報化社会・メディア社会に翻弄され、理性が麻痺
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ミス・ポター(2006年製作の映画)

4.0

女性の自立や結婚の自由がしっかり認められていない時代に、好きなものや思い出を大切にしながら自分の道を進んでいく姿はカッコいい。

イギリスの美しい自然や動き出す絵の演出などがこの作品を叙情的かつチャー
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L.A.コンフィデンシャル(1997年製作の映画)

4.9

謎解きのサスペンスとしてもしっかりしていてストーリーに引き込まれる。

バイオレンスや汚職といった描写もあるからダークな世界観になっていて、普通のサスペンス映画では感じられないカッコよさがある。

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女神は二度微笑む(2012年製作の映画)

3.6

ハリウッドに劣らないサスペンス。
ミスリードや伏線のちりばめ方が上手い。

二転三転するストーリーに引き込まれる。愛情なども描かれ、人間ドラマの側面も持っている。

奇蹟がくれた数式(2015年製作の映画)

3.4

ぶつかり合いながらも友情を築き、生きがいや美学を追い求める姿が感動的。

終盤でハーディが「公式は創るものではなく、既に存在し発見され証明されるのを待っている」と語るが、とてもロマンがあると思った。
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ガール・オン・ザ・トレイン(2016年製作の映画)

3.8

サスペンススリラーとしてはイマイチ。期待しすぎたかも。
展開や雰囲気は「リピーテッド」に似てる。

3人の女性の視点から、女性の強さ・恐さが描き出されているのは好きなところ。女性原作者ならではのストー
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裏切りのサーカス(2011年製作の映画)

4.1

見れば見るほど味が出る作品。
冷戦期のスパイ活動での心理戦も見所だが、登場人物の内面が深く描かれた切ない物語である。

同性愛なども絡めて、より深く複雑な心境が描かれている。

ラストシーンは切なさの
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16歳の合衆国(2002年製作の映画)

3.7

殺した側の家族と殺された側の家族それぞれの不安定な内面が描かれつつ、アメリカ乃至は世界のリアルが描かれている。

リーランドは自分の世界と周りとの間の齟齬を抱えながら生きている。

達観しているような
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ハイ・ライズ(2015年製作の映画)

4.3

現代の格差社会・差別社会のモデルであるタワー。
ちょっときたきっかけで崩壊し腐敗していくヒエラルキー社会が描かれている。

鮮烈な映像もかなりアクセントになっている。
ラストのサッチャーの演説もいい
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.4

極上の青春映画。さすがジョン・カーニー。

家族との関係や恋心など、高校生くらいの微妙な感じが切なくも瑞々しく描かれている。

劇中の80年代のブリティッシュ・ロックが最高。
映画オリジナルソングも良
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シークレット・デイ あの日、少女たちは赤ん坊を殺した(2014年製作の映画)

4.1

アリスとロニーの微妙な関係と、女性の強かさがメインのテーマ。

結末はめちゃめちゃ深く心理が抉られている。あまり多くは描かず、でも声高にそれぞれの闇や心情が描かれている。
このラストは考えれば考えるほ
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