Harukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 76ページ目

Haruki

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ハイ・ライズ(2015年製作の映画)

4.3

現代の格差社会・差別社会のモデルであるタワー。
ちょっときたきっかけで崩壊し腐敗していくヒエラルキー社会が描かれている。

鮮烈な映像もかなりアクセントになっている。
ラストのサッチャーの演説もいい
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.4

極上の青春映画。さすがジョン・カーニー。

家族との関係や恋心など、高校生くらいの微妙な感じが切なくも瑞々しく描かれている。

劇中の80年代のブリティッシュ・ロックが最高。
映画オリジナルソングも良
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シークレット・デイ あの日、少女たちは赤ん坊を殺した(2014年製作の映画)

4.1

アリスとロニーの微妙な関係と、女性の強かさがメインのテーマ。

結末はめちゃめちゃ深く心理が抉られている。あまり多くは描かず、でも声高にそれぞれの闇や心情が描かれている。
このラストは考えれば考えるほ
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ゆりかごを揺らす手(1991年製作の映画)

3.4

なんといってもレベッカ・デモーネイの怪演が見所。
女性の狂気的な恨みがひしひしと伝わってくるし、育児という女性特有の心理からの、普通とは違った恐さがある。

ソロモンがかっこいいし、スカッとする

インデペンデンス・デイ:リサージェンス(2016年製作の映画)

3.6

SFパニックとしてはとてもクオリティが高い。

人種や宗教に関係なく世界の人々が結束するカッコよさは前作にも通じる。

ジェフ・ゴールドブラムやビル・プルマンたちがまた出演していることも嬉しい。

アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

4.0

かなりショッキングでイかれた作品だけど、ただのスプラッターでは全くない。

人間関係の中でのプライドや虚栄、嫉妬などが象徴的に描かれ、人間の本質的な二面性と壊れやすい狂気的な部分が表現されている。
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エル・クラン(2015年製作の映画)

3.8

これほどショッキングな事件を、時に快活に描くことで、よりセンセーショナルな作品になっている。
淡々とストーリーが進んでいく様は狂気的で逆に引き込まれる。

歯車が狂い始めてからの父親の狂気が恐い。
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ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

4.4

暗く独特なデヴィッド・フィンチャー流「フォレスト・ガンプ」(脚本家同じだし)。

老人施設で逆行する人生をスタートさせ、様々な人たちと出会う。そのような人生によって、成長や死、愛情や運命などがより叙情
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ハングリー・ハーツ(2014年製作の映画)

4.0

母親の愛情が屈折し、狂気へと変わるスリラー。じわじわとくる不気味さはあるけど、とても切ない物語。

この愛情は「暴走」ではなく、純粋なものであるからこそ、ミナが憎むべき人物にはならず、感情移入すらでき
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消えた声が、その名を呼ぶ(2014年製作の映画)

3.8

語られることの少ないアルメニア人大虐殺。その凄惨な状況の中で、神への絶望や人間の醜さが強烈に感じられる。

ナザレットが自身と重ねながら、チャップリンの「キッド」を見るシーンが最高。

音楽も素晴らし
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素晴らしきかな、人生(2016年製作の映画)

3.8

ハワードだけでなく、他の人もそれぞれ傷を抱え、互いに思いやり、傷を埋め合う姿が感動的。

コメディっぽい設定も完璧で、クリスマスの寓話のように重くなりすぎないように作られている。

ヘレン・ミレンはさ
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.8

妄想と現実が複雑に入り混ざったストーリーが秀逸。
時間軸と妄想の世界を理解すると一気に面白くなる映画。

難解な構成を持ちながらも、哀しいラブストーリーであるという、多面的な深さを持っている作品。

クラッシュ(2004年製作の映画)

4.8

黒人白人に限らず多民族社会における偏見や差別を、ここまで辛辣に浮き彫りにされると、何とも言えない気持ちになる。

一方でこうした状況の中でも人々が互いに繋がりを持って暮らしているということがこの群像劇
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.9

アメコミの映画にはないダークな空気に包まれたクライム映画に仕上がっている。

ノーランらしい撮影とダークな世界がつくられ、ヒース・レジャーの演技も見事。

アクション・クライム・狂気やエゴ・モラルの脆
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JOY(2015年製作の映画)

3.2

家族の問題を抱えながらも「成功」と「自分」を見捨てずに走り続けたたくましい女性のサクセスストーリー。

デヴィッド・O・ラッセルらしい小気味よいユーモアやストーリー展開が魅力。

ジェニファー・ローレ
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ミス・シェパードをお手本に(2015年製作の映画)

3.6

マギー・スミスのお茶目なキャラクターと演技が見事。
ハートウォーミングなストーリーでもあり、少し切なくもある。でも悲しい気持ちにはならない作品。

ジェニングスの二役の演出や撮影手法もチャーミングな要
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神のゆらぎ(2014年製作の映画)

4.4

人間に与えられる試練、そしてそれに直面した時に人は何を想うかを、群像劇として哀切に描いている。

人がなす決断がどこまで正しいのか、運命を神に委ねることの微妙な立場などが観る者に深く突き刺さってくる。
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.1

SFとして設定が素晴らしいが、空気感や映像は暗く、音楽も陰鬱。

はっきりとした敵・味方という構図は感じられず、自己認識や感情といった哲学的テーマを感じることができる。

ラストの折り紙のシーンは解釈
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.4

人間の狂気やダークサイドの本質が鋭く描かれている。

サスペンス的ストーリーではあるが、スリラーとしてのレベルが高い。この事件で抉られるテーマやアンソニー・ホプキンスの演技、ハンニバル・レクターという
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エアフォース・ワン(1997年製作の映画)

3.5

ハリソン・フォードのカッコよさが前面に出ている。でも大統領強すぎ。

ゲイリー・オールドマンの悪役ぶりはスゴい。
「ザ・ロック」のエド・ハリスみたいに信念を持っている悪役だが、描かれ方が全然違う。

ユー・キャン・カウント・オン・ミー(2000年製作の映画)

4.0

ローラ・リニーの最高傑作!

律儀な人生を送りながら不道徳なことをしてしまう姉と、ダメな生活を送る弟の姿がリアル。

家族の問題を抱えつつ、姉弟・親子の関係の中で頼り合いながら自分たちを見つめ直してい
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ツイスター(1996年製作の映画)

2.3

災害パニックというよりは、自然の脅威に正面から向き合う、人間臭さのあるドラマになっている。

主題歌のVan Halenの「Humans Being」はやっぱりカッコいい。

教授のおかしな妄想殺人(2015年製作の映画)

3.4

シニカルとコミカルの見事な融合。
音楽やエマ・ストーンのキャラクターなどでコミカルになっているが、人間の複雑な内面がシニカルに描かれている。

エマ・ストーンがとても魅力的。
女優の魅力の出し方がウデ
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アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち(2014年製作の映画)

3.5

ポーらしい19世紀末のイギリスの暗く不穏な空気感に引き込まれる。

どんでん返しもさすがだが、精神病患者への治療や、人間の善悪といった微妙な部分などが抉られている。

ツーリスト(2010年製作の映画)

1.3

サスペンスだけど、美しい街並みや音楽、デップ&アンジーの演技でロマンチックさが強調されている。

でも、オチはしょぼいし伏線もしっかりしてない。

トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)

3.6

甘美であり、荘厳で叙情的な映像と音楽、そして何と言ってもジュリエット・ビノシュの演技に圧倒される。

セリフと音楽がリンクする表現が魅力。

ライフ・オブ・デビッド・ゲイル(2003年製作の映画)

4.6

謎解きでもあり、スリラー的雰囲気もあり、死刑制度や冤罪に深く切り込んでいる作品でもある。その多角的ストーリーが脚本・演技・演出によって見事に完成されている。

やっぱケヴィン・スペイシーの演技はさすが
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怪盗軍団(1975年製作の映画)

4.0

ナチスの戦犯を脱獄させ、ヒトラーに変装して隠した金塊のありかを言わせるという、突拍子もない計画がおもしろすぎる。40年以上の映画とは思えないほどのドキドキ感。

前半はコメディ要素が多いけど、後半は結
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盗聴者(2016年製作の映画)

1.2

フランソワ・クリュゼの演技はさすが。

でもストーリーに新鮮味はない。

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

4.0

一人ひとりの仕草やクセ、表情で、どこかユーモアある不思議な空間が作られている。室内の美術や音楽もアクセントになっている。

演技しているのかわからないような感じで、他人の世界を覗き見しているような気分
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海辺の家(2001年製作の映画)

4.4

共同作業や共有している思い出によって、絆が復活する家族の再生の物語。

静かなストーリーではあるが、なぜか目が離せなくなるほど引き込まれる。
一人ひとりの自然な演技と感動的な展開がそうさせるのかもしれ
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

3.2

船内のSF的空間はとても面白い。
ストーリー展開に新鮮味はないけど、SFの中に人間の心理が描かれている。

ジムの罪は誰でも共感し得るはず。
この映画のような状況に限らず、人は誰かにすがりたくなるほど
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ティエリー・トグルドーの憂鬱(2015年製作の映画)

4.3

フランスのみならず、世界の憂鬱を描いている。
もがき苦しむ男を好演しているヴァンサン・ランドンだけでなく、無名の登場人物たちが厳しい現実の中で生きている姿は、観る人に強く訴えかけてくる。

カメラが人
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スノーデン(2016年製作の映画)

3.9

国家に仕え、愛国心と正義の名の下で仕事をするが、罪悪感に苛まれ、自らの信条との間で揺れ動くスノーデン。

現代の監視社会の実態に言葉を失くす作品。
真実を伝えるために奮闘するスノーデンとジャーナリスト
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.8

圧倒的な緊迫感と暴力描写の中に、世界の不条理さを高いレベルで描ききり、この世界に身を投じるしかないというメッセージがこの作品に込められている。

冒頭の語りの台詞がこの映画のテーマのような気がする。
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フローズン・リバー(2008年製作の映画)

4.0

極寒のニューヨーク最北端の地を舞台に、2人の女性の悲壮感が表現されている。

部族とアメリカの関係を描きつつ、「母親」という普遍的なテーマも描いている。

生きることの厳しさ、2人の母親の愛情と壮絶な
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