Hiromasaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

二十四の瞳(1954年製作の映画)

5.0

名作と言うのは、基本的枠組みが単純なほど、奥深い名作になる気がする。「日本沈没」なら「日本の沈没」を描けば良いし、「二十四の瞳」なら「二十四の瞳」が描けてれば良い。あと、あまり指摘されていないがこれミ>>続きを読む

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

2.0

うーん。普通の子が彼氏を作り、普通に女優デビューするだけの話で、あんまり見所はないかな。あとラストで、女視点から一方的に場末で働く元彼を憐んでいるのはどうなのか。

スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

3.0

いろいろガジェットが多いわりに主人公の成長物語に収まってしまうので、見掛け倒し感が凄い。元々スパイダーマンは少年の個人的な成長譚が広大な世界に繋がるところが見所だったのに、今作はその逆を行っている。

眼下の敵(1957年製作の映画)

3.0

互いに本気で戦うが、最後は、敵に逃げる余裕を与えてやる。きれいごとではあるが、欧米人のフェアプレイ意識がよくわかる映画。

仁義(1970年製作の映画)

4.0

フランス映画でいちばん好きなのがこれ。簡潔で無駄がない。

ガス燈(1944年製作の映画)

4.5

映画における「恐怖」とは何かわかる模範的傑作。犯人よりも「家」が恐ろしいという点では、『クリーピー』の元ネタになっている。

断崖(1941年製作の映画)

4.0

ヒッチコックの中で「ハリーの災難」に近い。スクリーンプロセスを使って構成された断崖の画面。その一歩先には現実の奈落が待ち受けている。そして、この映画に出て来る旦那の末裔が「クリーピー」の香川だろう。

話の話(1979年製作の映画)

5.0

これはちょっと大江健三郎っぽい。わりと小さいものに宇宙を見出すタイプの作家なので、この30分という長さが極限なんじゃないかと思った。

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.0

義体やゴーストについて語られてるが、要するにハードボイルド的な人生観が語られているのではないか。その点で、個人的に最も影響を受けた映画の一つ。

イノセンス(2004年製作の映画)

5.0

アニメではあるが、年を取らないと判らない映画なんだろうなと思った。愛する人のいない若輩者には、愛する者を失ったバトーの孤独そして「守護霊」を理解するのは難しい。
あと、小難しい引用句が出てくるが、これ
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ダイ・ハード3(1995年製作の映画)

4.0

このシリーズは全部傑作。本作は『ダーティハリー』でハリーが犯人からの電話に翻弄されて駆け廻るシーン、あれを応用した映画になっている。あと、サミュエルLジャクソンが活躍する。

しかし それだけではない。 加藤周一 幽霊と語る(2009年製作の映画)

4.0

加藤周一と云えば護憲派左翼の耄碌爺くらいにしか思われてないかも知れないが、そしてそれはその通りかもしれないが「しかし、それだけではない」。加藤の年月を経た人間の重みが伝わって来る映画。評論家がこんなに>>続きを読む

霧の中のハリネズミ/霧につつまれたハリネズミ(1975年製作の映画)

5.0

霧の中から色々なものが現れて来る映画。ハリネズミのポカンとした顔がかわいかった。小説だけど、泉鏡花の短編なんかと比べると面白いかも。

アクアマン(2018年製作の映画)

4.0

真っ暗な深海が、アトランティス人にだけ輝く光の世界に見えるという設定。ただ、その光の世界がほぼラッセンの世界なので笑う。
「個人のオリジナリティなどより、時代のオリジナリティこそ重要だ」という言葉を思
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じゃりン子チエ(1981年製作の映画)

5.0

原作を忠実にアニメ化して成功した傑作。終盤の喧嘩のシーン、画面を通して小鉄の体の重みが伝わってくるんですよね。この作品の何が良いって、「恥」や「照れ」人間がどうしても抱え込んでしまう屈託が笑いによって>>続きを読む

さらば映画の友よ インディアンサマー(1979年製作の映画)

2.0

映画へのノスタルジーに取り憑かれたおっさんを川谷拓三が熱演。個人的な感想を言えばうっとうしい世界だなとしか思えなかったが、こういう人達がいたという歴史的な事実に対して、良い悪いを言ってもしょうがないと>>続きを読む

かくも長き不在(1960年製作の映画)

3.5

なんといっても、「かくも長き不在」という題名が良いですね。最近、15時間とか寝てるので、目が覚めたとき「嗚呼、かくも長き不在」とか思ったりする。

ルートヴィヒ 完全復元版(1972年製作の映画)

5.0

4時間もあるが、余裕のある作りになっていて、意外と最後まで見れる。浪費と退屈の中にある豊饒な可能性。特に、ワーグナーが奥さんの誕生日プレゼントにオーケストラを演奏させるシーンが良すぎ。

大岡昇平の『
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色情団地妻 ダブル失神/わ・れ・め/笑い虫(2006年製作の映画)

5.0

ピンク映画ですが、この監督の作品は何か人間の生きている時間の手応えみたいなものが感じられる良作なので、本当におすすめです。

たとえば、道で落としたケーキの箱から、通りすがりの女がケーキを取って食うシ
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アオサギとツル(1974年製作の映画)

5.0

今作のテーマは「恋愛」。手と手の触れ合う一瞬がこんなにエロチックな映画もない。

キツネとウサギ(1973年製作の映画)

5.0

アニメによる寓話。悪しきキツネを追い出すのは何かと言ったら「雄鶏」である。しかし単に言葉として見たら、なんでただの「雄鶏」がキツネを追い出せたのか?という話になってしまう。この寓話を成立させているのは>>続きを読む

ケルジェネツの戦い(1971年製作の映画)

5.0

「人類」と「世界」の歴史を視野に入れた傑作アニメーション。いわばダンテとかと同じレベルの志で作られてるんで、これと比べてしまうと、世の中の作家たちはどうでもいいことちまちまやってるなとしか思えなくなる>>続きを読む

25日・最初の日(1968年製作の映画)

5.0

内容としては要するに「革命万歳」としか言っていないのに、驚くほど深く豊かな奥行きを持っている。アニメという枠組みの中に「すべて」を入れることができるという、確信に満ちたデビュー作。

モダン・タイムス(1936年製作の映画)

4.0

やはり名作。
まず夜のデパートというシチュエーションだけで、名作。これがなければ「くまのコールテンくん」も「ラッキー嬢ちゃん」も無かったわけだ。

そして内容的には基本的に「機械文明の風刺」でくくれて
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チャップリンの殺人狂時代(1947年製作の映画)

3.5

「1人を殺したら犯罪者。100万人殺したら英雄だ」というセリフで有名な映画だが、むしろ終盤の解説パートは蛇足だと思う。
なんと言っても、チャップリン演じる殺人狂のキャラがリアルだ。
いつもの役柄と違い
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.5

「珈琲いかがでしょう」の監督さんなので視聴。
一見、ほのぼの系作品に見えて、意外とそうでもない。
小林聡美はお気楽そうに見えて、実は、かもめ食堂に客が入らず金がなくなって異国で窮死することを覚悟してる
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ルーキー(1990年製作の映画)

3.5

テレ東でやってたので。
「お前には打てないだろう」とバカにされていた新人刑事が、犯人を撃ち殺せるようになるという、わりとベタなストーリー。ただ、単細胞な世界観になっていないのは「暴力」がよく描けている
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龍の歯医者 特別版(2017年製作の映画)

3.5

多くの人たちの手が集まって作られていることが感動的な作品。入り組んだ寓意を理解するためというより、ひとつひとつの細部を見るために何度も見たくなる作品だつた。

日本沈没(1973年製作の映画)

3.0

小林桂樹の迫真な演技がすごい。凄みのある空回りと言うか、いかにも橋本忍的な映画。ぼろぼろの藤岡が荒野を眺めるラストで終わる。

プレデター(1987年製作の映画)

3.5

プレデターにもプレデターなりの流儀がある。そういうテーマと、泥だらけで裸一貫になって戦うシュワちゃんがうまくマッチしている。

ロープ(1948年製作の映画)

3.0

密室に外の光と音が入って来る、感動的な作品。

あと、おばさんがチェストの上を片付けてるところはとてもヒッチコック的な「宙吊り」だ。

柳川堀割物語(1987年製作の映画)

4.0

我々は、水との「わずらわしい付き合い」を捨て去っているのではないかと広松伝は言う。
うつくしい自然や先人の知恵を賛美する映画では全くなく、「近代」というわずらわしい課題について延々と思考し続ける160
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リーサル・ウェポン(1987年製作の映画)

2.5

悪人をすぐに射殺してしまう自殺志願の刑事が主人公。最終的に、この男が犯人と雨の中取っ組み合いの喧嘩することで悩みを克服する的な感じになっているが、結局普通に犯人を射殺してるし、何が成長したのかよくわか>>続きを読む

ムトゥ 踊るマハラジャ(1995年製作の映画)

5.0

あまりにも名作なので、この映画の面白さを語ろうとしても語り尽くせないだろう。まず、歌のシーンで、映像が躍動している。ヒンドゥー教の教義はよく知らないが、ここにあるのは徹底した現世主義だ。前半ではラブコ>>続きを読む

シャーロック・ホームズ(2009年製作の映画)

2.5

かなり武闘派のホームズだけど、内容的には黒魔術を科学的推理で解決するという王道的なミステリーで、面白かった。

(もっと細かいことを言うと、最近のミステリドラマにありがちな、何が謎なのか曖昧にすること
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ドクター・ドリトル(2020年製作の映画)

1.5

動物の純真な目が奸臣を見破り、女王の恵みによってドリトルの楽園は守られる。

正直映画としての出来はイマイチながら、いろんな動物が出てくるので動物好きの人と一緒に見るのにおすすめ。